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第九十四話 暦のうえでは秋だけれどその一

                第九十四話  暦のうえでは秋だけれど
 二学期になってだった。
 一華達も始業式に出た、その後は簡単なホームルームが行われて解散となった。一華はその後すぐに部室に入ったが。
 そこでだ、同級生にこう言われた。
「部活今日はお昼かららしいわ」
「お昼食べてからなのね」
「それからね」 
 部室で一華に話した、二人共今は制服姿である。
「やるらしいわ」
「そうなのね」
「だから今はね」
「自由時間ね」
「そうよ、それで私もね」
 一華は自分から言った。
「暫く暇だけれど」
「私もよ、何しようかしら」
「ちょっと彼氏のとこ行って来るわ」
 笑顔でだ、一華に言うのだった。
「そうしてくるわ」
「デート?」
「学校の中でね」
「そうなのね、私はね」
 一華は達川のことを思い出して言った。
「彼氏は野球部だから」
「あそこさっき走ってたわね」
「あそこはもうね」 
 それこそというのだ。
「暇があったら練習だからね」
「そうよね」
「猛練習が看板だから」
「野球部の寮もあるしね」
「ええ、それでね」
 同級生にさらに言った。
「私は坑内デートもね」
「出来ないのね」
「残念だけれどね」
「あんたの彼氏はバスケ部でね」
「練習時間大抵うちと被ってるし今日もね」
「同じなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「今からお昼までね」
「坑内デートね」
「行って来るわ」
 実に楽しそうに言うのだった。
「お昼も食べてね」
「それじゃあね」
「あっ、学校の中だからキスとかはしないから」
 同級生は笑ってこうした話もした。
「流石にね」
「キスって」
「まあそれ以上のこともね」
「あんたもうしてるの?」
 一華は楽しそうに言う同級生に怪訝な顔になって尋ねた。
「まさか」
「どう思うの?一ちゃんは」
 一華を仇名で呼んで尋ねた。
「それで」
「いや、まさかって言ったし」
「してるとか?」
「そうじゃないの?」
「ご想像にお任せてってことでね」
 これが同級生の返答だった。
「そういうことで」
「そうなの」
「ただね」
 同級生はこうも言った。
「妊娠とかいうことはないから」
「それは流石にまずいでしょ」
「だからないから」
 そうしたことはというのだ。
「安心してね」
「妊娠したら彼氏さん含めて退学でしょ」
 それは避けられないというのだ。 
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