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夢幻水滸伝

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第三百十三話 シカゴの医師その一

                第三百十三話  シカゴの医師
 カーチス=ルイスはこの世界に来てすぐに声からこの世界のこととこの世界における自分達のことを聞いた、そしてだった。
 目を開けるとそこは病院の中だった、様々な種族の医師や看護師達が慌ただしく動き回り怪我人達を手当てしていた。
 その戦場の様な有様を見て彼は傍を通った火の精霊の若い女性の看護師に尋ねた。
「大事故があったのですか」
「はい、そうです」
 看護師はその通りだと答えた。
「実は」
「やはりそうですか」
「しかし貴方は」
 看護師は自分に声をかけてきたルイスを見て言った。
「普通の方ではないですね」
「どうしてそう言われますか」
「レベルとステータスが桁外れです」
 だからだというのだ。
「それを見ますと」
「只者ではないとですか」
「そうとしか思えません」
 真顔での返答だった。
「どう見ても。それに医師ですね」
「はい、そうです」
 職業の話になってだ、ルイスもその通りだと答えた。
「私は」
「それならお願い出来ますか」
 今度は切実は声で言ってきた。
「今この通りです」
「大変な状況ですね」
「化学工場で爆発事故がありまして」
「それで怪我をした人達がこの病院に運び込まれたのですね」
「はい」
 そうだというのだ。
「それで今です」
「怪我人の人達の治療にですね」
「病院中が大忙しなのです」
「わかりました」 
 ここまで聞いてだ、ルイスは頷いた。そのうえで言った。
「すぐにです」
「手伝ってくれますか」
「私の出来ることをさせてもらいます」 
 こう答えるのだった。
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「はい、今すぐに」
「宜しくお願いします」
 看護師はそれならとなった、そうしてだった。
 ルイスはすぐに治療にかかった、多くの怪我人達に術だけでなく医師のスキルも用いて数えきれないだけの怪我人達を瞬く間にだった。
 回復させた、このことに誰もが驚いた。
「これは凄い」
「こんな素晴らしい医師ははじめてだ」
「この人只者じゃないぞ」
「レベルとステータスを見れば一目瞭然だが」
「何者だこの人」
「どういう人なんだ」
「あの」
 初老の男の水の精霊の院長が彼に言ってきた。
「宜しければ貴方のことをお話してくれませんか」
「はい、私は」
 ルイスは院長に自分のことを話した、すると。
 院長は最初驚いた、だがすぐに冷静な顔になって言った。
「成程、星の方でしたか」
「そうです」
「いい時に来てくれました」
 まずはこう言ったのだった。
「大変な時に。有り難うございます」
「いえ、この場に出て来たのも神のお導きでしょう」
 実際にルイスはこう考えていた。
「ですから」
「お礼にはですか」
「及びません」
 こう言うのだった。 
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