イベリス
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第百十五話 知りたいことその二
「賑やかになって色々なことがな」
「出来ますね」
「うちの店だってな」
「やっていけますね」
「誰もいないところで店を開いてもな」
マスターは咲に笑って話した。
「お客さんが来なくてな」
「やっていけないですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「人が多くてな」
「喫茶店もやっていけますね」
「だから地方の駅前の商店街とかな」
「どんどん潰れていってるんですね」
「人がいなくなったからな」
「皆車に乗って」
「車道を行き来してるからな」
それでというのだ。
「車道にお店が連なって」
「そこにお客さんも入りますね」
「そうなってるんだよ」
今ではというのだ。
「地方はな」
「東京はまだましですね」
「こっちはもう車に乗るよりも」
この移動手段よりもというのだ。
「狭いところに人が集まってるからな」
「電車の方が楽ですね」
「ああ、山の手線なり地下鉄なりな」
「そう言うの使いますね」
「バスだってあるけれどな」
「やっぱり電車強いですね」
「他のところの人から見れば滅茶苦茶複雑だけれどな」
東京の路線はこの街に生まれ育っていないと難しい、少なくとも多少のことでは理解出来ないものがある。
「けれどな」
「電車での移動は楽で」
「そっちが主流だからな」
「駅前もですね」
「人が多くてな」
「商店街もやっていけてますね」
「他のところよりもな、それで喫茶店もな」
駅前の商店街にある様なというのだ。
「駅前でもな」
「やっていけますね」
「人が多いんからだよ」
全てはというのだ。
「本当にな」
「人が多いからですね」
「やっていけて他のお店もな」
「同じですね」
「ああ、けれどな」
「人が多いと厄介ごともですね」
「増えてな、色々悪い奴だってな」
そう言うしかない輩もというのだ。
「いるからな」
「だからですね」
「ああ、お巡りさんもな」
「大変なんですね」
「そうだよ」
「渋谷もですね」
「ここも変な奴よく見るよ」
マスターは苦笑いになって話した。
「それで犯罪にならなくてもな」
「喧嘩とかですね」
「暴れたりな」
「そうしたことするからな」
だからだというのだ。
「どうしてもな」
「お忙しいですね」
「ああ、だからあのお巡りさんもな」
「お忙しいですか」
「そうさ、交番からな」
まさにそこからというのだ。
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