神々の塔
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第三十三話 アウトローの者達その七
落ちようとしていた天井の動きが止まった、彼はその天井を見て言った。
「ほんま難儀な場所やな」
「今度は天井か」
「日本の家はこうした罠も仕掛けやすいやろ」
隣にいる中里に述べた。
「そやろ」
「よおある話やな」
「それでや」
「こうした罠も仕掛けてくれてるか」
「そや、襖の向こうに敵が潜んでて」
「畳の裏に罠があって」
「天井にや」
そちらにもというのだ。
「しっかりとな」
「罠をやな」
「仕掛けてるんや」
そうだというのだ。
「これがな」
「やってくれるな」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「僕も忍者や」
この職業にあるからだというのだ。
「そやからな」
「だからやな」
「こうしたことはな」
伏兵や罠についてはというのだ。
「勿論術での事前の警戒や対策もしてるが」
「それでもやな」
「僕もおる」
「やっぱりこうしたことはシーフ系の職業やな」
「そや、忍者もそのうちの一つや」
シーフ系の職業だというのだ。
「それでや」
「塔の伏兵とか罠は」
「任せてくれ、一回もそうしたものの害受けてへんな」
「そやな」
中里もそれはその通りだと答えた。
「僕等は」
「これからもや、そういうのはな」
「任せて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「先に進んでくで」
「ほなな」
中里も頷いた、そうしてだった。
一行はさらに先に進んでいった、そうして遂に日本の任侠の神霊達の前に来た。すると早速如何にも任侠の体の中年男が言ってきた。
「おう、よく来たな」
「貴方が国定忠治さんですね」
「そうさ」
アレンカールに笑って答えた。
「俺が他ならねえ国定忠治さ」
「赤城の月も今宵限りの」
「そうさ」
まさにというのだ。
「よく知ってるじゃねえか」
「日本に来て聞ききました」
「そっちの世界でだな」
「ええ、それでこっちの世界じゃ」
「この通り神霊て訳だ」
観れば右手には刀がある、その背を右肩に置いている。
「世界を護るな、因果なものだろ」
「ヤクザ屋さんが神霊さんだから」
「本当にな、しかしな」
「しかし?」
「そうなったのも縁だ」
それでというのだ。
「この世界を護ってやるさ、それでな」
「あたい達にはですね」
「この塔じゃ試練でな」
それでというのだ。
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