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イベリス

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第百十四話 近付きたいその三

「ウイスキーもです」
「ウイスキーはイギリスが本場でも」
「ですが麦を作る土地とお水の関係で」
 ウイスキーの原料のそれをというのだ。
「やはりです」
「ウイスキーもですか」
「日本のものの方がいいですね」
「イギリスはそうですか」
「スコッチは確かに美味しいですが」
 それでもというのだ。
「普通に飲むウイスキーもです」
「日本のものの方がですか」
「私は好きです、あとおつまみも豊富ですし」
「日本はそうですね」
「居酒屋さんに行けばあらゆる国のおつまみが楽しめますので」
 だからだというのだ。
「非常にです」
「日本はおつまみもいいんですね」
「そうです、まあイギリスは私にとっては」
 咲に微笑んで前置きをして話した。
「お食事ではなくお仕事と学ぶ為の」
「タロットをですね」
「そうなりますね」
 出張の時の仕事のことは隠して話した。
「学ぶとなりますと」
「やっぱりそうですね」
「はい、そして景色や文化もです」
「いいですね」
「魅力的な国であることは事実です」
 速水もそのことは否定しなかった。
「お食事についてはそういうことで」
「わかりやすいですね」
「はい、そして紅茶も」
 こちらもというのだ。
「また申し上げますが」
「日本のものですね」
「そう思います、そしてスポーツは」
 イギリスのそれはというと。
「非常にです」
「あの国スポーツマンシップ守りますね」
「そこは極めてです」
「しっかりしていますね」
「そうした国です」
「それいいですよね、私スポーツはしませんが」
 時分ではとだ、咲は答えた。
「ですがやっぱり正々堂々とですね」
「イギリスは兎角スポーツにはこだわる国ですから」
「スポーツマンシップはですね」
「しっかりと守ってです」
「行ってるんですね」
「このことは日本も定評がありますが」
 スポーツマンシップを守ることについてはというのです。
「イギリスのそうしたところは忘れず」
「お手本にすることですね」
「いいところは是非です」
 笑顔での言葉だった、それも明るい。
「学ぶべきですから」
「イギリスのそうしたところはですね」
「学びまして」
「これからもスポーツマンシップを学ぶべきですね」
「そう思います、ただイギリスの人達も最近野球を楽しむ人が増えていますが」
 それでもというのだ。
「こちらでもです」
「スポーツマンシップを守って」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「楽しんでいます」
「それがイギリスですね」
「はい」 
 まさにという返事だった。
「イギリス人はそうした人達です、一勝がです」
「一つ勝って」
「WBCで勝利を収めたそのことをです」
「あっ、何か凄く」 
 咲はその話を聞いて大きな声をあげた。 
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