星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十四部第五章 宣言に向けてその七
「絶対にな」
「左様ですね」
「だからこそ王代表に対してもですね」
「政策で勝ちますね」
「そうしますね」
「そうだ、そして政治に大事なものはもう一つある」
それが何かもだ、李は話した。
「流れだ」
「政治のそれですね」
「一体流れはどちらにあるか」
「それも大事ですね」
「これまでは中央政府に流れていた」
連合の政治の流れはというのだ。
「だがそれがだ」
「変わりますね」
「各国政府に変わりますね」
「我々のものに」
「スポーツでもそうだな」
今度はそちらの話をした。
「流れは重要だな」
「はい、幾ら強大な戦力を擁するチームでもです」
「流れに乗っていないならです」
「中々勝てません」
「ペナントでもそうですし」
「シリーズでもですね」
「最初の意表を衝くプレイで流れを掴んでだ」
例えば雨上がりの自分達の本拠地の球場で相手チームの守備の弱いポイントにバントを仕掛けて出塁する、それで流れを掴んでシリーズを有利に進めることもあるのだ。
「進められるな」
「はい、まさに」
「それも可能ですね」
「だからですね」
「ここは、ですね」
「我々にしてもな」
各国政府にしてもというのだ。
「今回の宣言でだ」
「流れを我々のものとする」
「そしてですね」
「中央政府の権限のより一層の拡大を防ぎ」
「各国政府の権限を戻す」
「そうしていきますね」
「綱引きで言うと引き返す」
今度はこう例えた。
「最低でも綱の中心を軸に戻す、そしてだ」
「出来ればですね」
「さらにですね」
「各国政府の方に引く」
「そうしますね」
「この綱引きは一方が引き摺られることはない」
そこまで一方的になることはないというのだ。
「民主政治の力学と言うかな」
「政党が二つありますと」
「三分の二には容易に進まないですね」
「一方の政党がかなり流れにのりもう一方が相当に愚かでも」
「それでもですね」
「そこまではだ」
流石にというのだ。
「ならない」
「左様ですね」
「そこまでは中々です」
「例え三分の二になっても」
「長く維持することは至難の技です」
「一九二〇年代のアメリカ政治は共和党のものだった」
大統領は共和党の人物が続き議会も大勢を占め続けていた、その為当時のアメリカの政治を共和党の時代と呼ぶ者もいる。
ページ上へ戻る