星河の覇皇
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第八十四部第五章 宣言に向けてその三
「謀略を仕掛けるにもな」
「他の手段ですね」
「それで仕掛けますね」
「その様にしますね」
「謀略で失脚する様なヤワな人物でもないが」
それでもというのだ。
「いささかでもな」
「動きを止められますね」
「謀略を仕掛けたなら」
「その分だけでも」
「少しでも動きが鈍るとな」
そうなればというのだ。
「大きい」
「左様ですね」
「いささかでも動きが鈍れば」
「それがですね」
「決め手にもなったりする、だからな」
それ故にというのである。
「ここはだ」
「謀略もですね」
「そちらもですね」
「仕掛けて」
「そのうえで、ですね」
「動きも鈍くしてな」
そのうえでというのだ。
「対していく」
「わかりました」
「それではですね」
「謀略も検討する」
「そうしていきますね」
「今後はな、彼は女性が好きな様だしな」
李はここでこのことを指摘した。
「だからな」
「女性ですか」
「そちらで、ですか」
「仕掛けますか」
「そうするのがいいか」
こう言うのだった。
「まだな」
「金銭等よりもですか」
「あの御仁に仕掛けるなら」
「女性ですか」
「そう思ったが」
李はこうも言った。
「しかし彼は慎重で身の回りもな」
「奇麗にされている様ですね」
「例え女性がお好きでも」
「それでも」
「そこで隙を見せる様ならな」
それならというのだ。
「所詮となる」
「その程度の人物ですね」
「そうなりますね」
「策を仕掛けられるなら」
「その隙があるなら」
「政党の代表になるにもな」
一つの政党のそれにというのだ。
「やはりそれなりの政治的闘争が必要だ」
「政党の代表も権力ですからね」
「その権力の座に就くのなら」
「能力も必要ですが」
「それと共にですね」
「慎重さも必要だ」
この要素もというのだ。
「どうしてもな」
「まさにその通りですね」
「迂闊に金銭や女性の不祥事を起こしますと」
「それだけで失脚します」
「政敵に突っ込まれ」
「そうなりますね」
「同じ政党であってもな」
政治的には同志が集まる筈のこの組織にあってもというのだ。
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