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八条学園騒動記

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第七百十三話 ドクガエルその九

「中には悪事への才能を持つ者もいる」
「泥棒等にですね」
「そうでありな」
「あの輩も然りですか」
「下らない本を書く天才だ」
 そうだというのだ。
「あの輩はな」
「下らない本を書くにも才能がありますか」
「誰の何の為にもならないな」
「いらない才能ですね」
「だが世の中色々な才能がありな」
 それでというのだ。
「中にはよからぬ方への才能もありだ」
「あの輩はですね」
「そちらの才能でだ」
 それでというのだ。
「天才だ」
「そうなのですね」
「そう思うと尚更だ」
 まさにというのだ。
「下らない輩だ」
「そうした才能しか持っていないなら」
「私は自分で何の才能を持っているかわからないが」
 それでもとだ、大尉は話した。
「そんな才能はだ」
「いらないですね」
「持ちたくはない」 
 絶対にというのだ。
「やはり世の中の役に立ちたい」
「そう思うのが常ですね」
「あの輩は生きていて人を不快にさせるだけでだ」
「生きていてもですね」
「意味がない」
 そうした輩だというのだ。
「間違ってもな」
「その様な輩になってはいけないですね」
「そうだ、そんな才能を発揮する位ならだ」  
 下らない本を書く様なというのだ。
「他のだ」
「才能を発揮すべきですね」
「そうだ、他に才能がなくてもな」
「他の仕事で生きるべきですね」
「その分野で才能がなくともな」
 そうであってもというのだ。
「頑張っている者も多いな」
「人にはどうしても向き不向きがあり」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「向いていない仕事でもな」
「それでもですね」
「頑張って働いている者もいる」
「世の中には」
「そうだ、そんな下らない才能を発揮するならだ」
「自分が向いていない仕事でもですね」
「そちらで頑張る方がいい、何でもだ」
 大尉はさらに話した。
「この輩は学校の教師が本職らしい」
「連合で最も質の悪い人間が集まるという」
「そこで教鞭を執っているそうだが」
「おそらく碌な教師ではないですね」
「連合の質の悪い教師達の中でもな」
 特にというのだ。
「質が悪そうだ」
「左様ですね」
「教えるのはすこぶる下手だろうな」
「おそらくそうでしょうね」
「そしてだ」
「そんな下らない才能を発揮していますね」
「そのうえで生計を立てている」 
 そうしているというのだ。
「教師をしつつな」
「質の悪い連合の教師達は問題ですが」
「特にこうした輩はな」
「最悪ですね」
「全く以てな、現代の科学で未来なぞ語れない」
「さらに進歩、発展するので」
「二世紀も三世紀も先の科学なぞだ」
 漫画やアニメのというのだ。 
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