ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十二話 酷い親戚がいないことその一
第九十二話 酷い親戚がいないこと
母からその話を聞いてだ、一華は顔を顰めさせて言った。
「あの人生きてたの」
「そうみたいよ」
母は暗い顔で話した。
「この前わかったそうよ」
「そうなの」
「それで親戚の人達は困ってるそうよ」
「生きていて欲しくなかったから」
「そうよ」
「ずっと行方不明だったのよね」
一華はどうかという顔で言った。
「あの人」
「そう、八条分教会でね」
「信者さんで」
「お世話になっていたのに」
天理教の教会とそこにいる人達にだ。
「文句ばかり言って」
「自分は何もしないで」
「何も出来ないでね」
それでというのだ。
「その癖偉そうに言って」
「しかも図々しくて」
「人のお家にお邪魔しますも言わないでね」
「今日行くって言って上がり込んで」
「それでふんぞり返って来てね」
他人の家にというのだ。
「晩ご飯を遠慮せずにお腹一杯食べてね」
「お風呂入って一泊してよね」
「朝ご飯もたらふく食べてね」
「帰ったのよね」
「お礼も言わないでね」
一泊泊めてもらってというのだ。
「親戚の人でもね」
「お小遣いもせびって」
「そして自分はお仕事しないで」
「奥さんの紐で」
「その癖偉そうにも言ってね」
「やっぱり何もしないで家族としてお話も聞いたりしないで」
「遂に奥さんに逃げられてよ」
そうなってというのだ。
「感謝するどころかね」
「爪切りまで持って行ったよね」
「そんな人よ」
「何でも長男さんで甘やかされて」
「親御さんにね」
「そんな人になったのよね」
「それであまりにも酷くてね」
母はさらに話した。
「天理教の方にもいられなくなったのよ」
「天理教の悪口ばかり言うし」
「お世話になっていてね」
その癖、そうした言葉だった。
「そうだったからね」
「遂に皆から愛想尽かされて」
「何処にもいられなくなってね」
「行方不明だったのよね」
「その人がね」
「生きていたのね」
「生活保護を貰ってね」
そのうえでというのだ。
「生きていたのよ」
「八条学園でも有名な人だけれど」
「理事長さん達の教会のお話だからね」
「もう皆死んだと思っていたけれど」
「それがよ」
一華に眉を曇らせて話しら。
「その人がね」
「生きていたのね」
「そうよ」
「それで親戚の人達がなのね」
「凄く嫌がってるのよ」
「あれね」
一華はここまで聞いて言った。
ページ上へ戻る