イベリス
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第百十三話 本格的な秋その五
「烏賊を食べてね」
「そうするわね」
「確かに生で新鮮なものは美味しいけれど」
烏賊も然りである。
「けれどね」
「安全には注意ね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「くれぐれもね」
「そうするわね」
「さもないとね」
それこそというのだ。
「痛い目見るわよ」
「虫がお腹に入って」
「川魚の寄生虫も怖いけれど」
「烏賊のもなのね」
「アニサキスもね」
「怖いのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だからね」
「そうしたことに注意して」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「食べてね、他の海の幸もよ」
「虫、アニサキスに注意ね」
「そうよ」
こう娘に言った。
「本当にね」
「それが私の為ね」
「咲自身のね」
「痛い目を見るから」
「アニサキスは本当に痛いらしいから」
腹に入ったその時はというのだ。
「だからね」
「要注意ね」
「鯖とかにもいるから」
烏賊だけでなくというのだ。
「本当によ」
「注意しないと駄目ね」
「痛い思いをするのはね」
それはというと。
「自分で家族もだから」
「家族もなのね」
「咲がお父さんとお母さんに作ってくれて」
料理をというのだ。
「将来結婚して」
「旦那さんや子供に」
「痛い思いをさせない為にね」
「注意しないと駄目ね」
「お料理は皆で楽しく食べて」
そしてというのだ。
「美味しく栄養もね」
「摂ることね」
「そうするものだから」
それ故にというのだ。
「こうしたこともね」
「注意しないと駄目ね」
「さもないとね」
「痛い思いをするのね」
「家族皆がね」
「そうしないと駄目ね」
「ええ、アニサキスのこと以外にも」
こうもだ、母は言った。
「何かとね」
「注意しないと駄目ね」
「川魚もだし」
即ち淡水魚もというのだ。
「それで他の生きものもね」
「寄生虫とかに注意ね」
「豚肉だってね」
「傷みやすいのよね」
「それで寄生虫もいるから」
こちらの肉にもというのだ。
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