ドリトル先生の落語
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第二幕その六
「暴力を振るうんだよ」
「考えてみれば最低だね」
「相手が何も出来ないから暴力を振るう」
「力も弱くて反抗出来る立場にない」
「そんな相手だから暴力を振るうんだね」
「そうするんだよ」
まさにそうだというのです。
「先生はね」
「そんな先生を何とかしないとね」
「日本の深刻な問題だよ」
「暴力を受ける生徒の人達が可哀想よ」
「本当にね」
「全くだよ、そしてね」
先生はさらにお話しました。
「こんな先生達が強いと思えるかな」
「いや、本当の強さってね」
「自分より弱い相手を殴ったり蹴ったりすることじゃないから」
「罵ったりもね」
「そんなのはヤクザ屋さんのすることだしね」
「そう、本当の強さは自分の大事なものを守れる力でね」
先生は言いました。
「そんなものじゃないよ」
「そうだよね」
「間違ってもね」
「そんな力じゃないね」
「絶対に」
「相手が何も出来ないと思って振るう力は卑怯だよ」
先生は断言しました。
「自分より強いと思った相手にはね」
「絶対に向かわないね」
「むしろへこへこするね」
「そんな人は」
「そうだよ、そんな先生はヤクザ屋さんと同じで」
そうした類の人でというのです。
「人間として最低でね」
「小心者だね」
「自分より強い人には向かわない」
「弱いと思った相手にばかり向かう」
「そんな人だから」
「そうだよ、そして横山やすしさんもね」
この人もというのです。
「無茶苦茶だったのはね」
「横山やすしという人を演じていて」
「実は気が小さくて」
「それで滅茶苦茶やってたんだ」
「その実は」
「そうだったんだ、どっしりと構えてね」
そうしてというのです。
「しっかりした行動を取るのがね」
「本当に確かな人」
「そういうことだね」
「小心じゃないんだね」
「そういうことだね」
「そうだよ」
皆に朝こうしたお話をするのでした。
そしてそのうえで皆とさらにお話をしていくのでした、漫才のそれを。
先生は他に落語も観ました、そのうえで翌日登校するとキャンバス内の掲示板にとあるポスターを見ました。そのポスターはといいますと。
「ふうん、落語研究会なんだ」
「略して落研だね」
「この大学の落研が落語の舞台やるんだ」
「寄席やるんだね」
「今度そうするんだね」
「そうだね、この大学は部活も盛んだからね」
先生も言います。
「それでだね」
「そうだよね」
「それで落研も活動していて」
「寄席もやるんだね」
「そうなんだね」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
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