星河の覇皇
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第八十四部第四章 続く会談その五十
「どうも」
「と、いいますと」
「時代が必要とし」
「そしてあの御仁も変えている」
「そうなのでしょうか」
「そうなるのでしょうか」
「ええ、両方の意味がね」
まさにというのだ。
「あると思うわ」
「マウリアそしてジャバル副主席の場合は」
「そうですか」
「どちらかではなくですか」
「両方ですか」
「両方の意味がありますか」
「そう思うわ、マウリアは変革期に入っていて」
アウトカースト層を受け入れるその時にというのだ。
「そしてね」
「まさにですか」
「その時にですか」
「ジャバル副主席が出て来た」
「そうなのですね」
「ええ、彼は出ようとしてね」
カースト層とアウトカースト層、クリシュナータがこの二つの社会を統合してマウリアの国力を高めようとした時にというのだ。
「機会を伺っていて」
「そして、ですか」
「その機会が来たので、ですね」
「世に出て来た」
「そうなのですね」
「そうよ、そして機会がなくても」
それでもというのだ。
「彼が出ようとしてね」
「出ていましたか」
「そうした人物ですか」
「ジャバル副主席は」
「そう思うわ」
伊東としてはというのだ。
「実際にね、ただね」
「ただ?」
「ただといいますと」
「今挙げた地域のうちでサハラは一つ問題があるわ」
伊東はこの地域のことを特別に話した。
「統一に向かっているけれど」
「アッディーン大統領とシャイターン主席が」
「それぞれ向かわれていますが」
「それでもですか」
「そこに問題がありますか」
「そう言われますと」
スタッフ達は伊東の言わんとしていることを察して言った。
「確かにそうですね」
「統一されるのですか」
「それならば残るのはお一人です」
「そうなりますね」
「統一されるなら玉座は一つよ」
サハラが帝国となり皇帝を戴く国になるならというのだ。
「そうね」
「はい、確かに」
「その場合はです」
「天下に二日はありません」
「そう言われていますね」
「サハラだと月になるかも知れずともね」
サハラの宗教はイスラム教でありイスラム教では太陽は暑い日差しで人を苦しめる存在であるとされ太陽は夜に優しい光で人を照らす存在とされ月の方が尊ばれているのだ、だからイスラム圏では赤十字ではなく月になっているのだ。
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