八条学園騒動記
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第七百十三話 ドクガエルその六
「いる、間違いなくな」
「妖怪もですね」
「そして山椒魚や蛙もだ」
「歳を経ると妖怪になり」
「化ける」
そうなるというのだ。
「そして他の生きものも物もな」
「付喪神もですか」
「存在していてな」
「連合では」
「エウロパでもそうかも知れない」
連合だけでなくというのだ。
「実はな」
「妖精が動かしているだけでなく」
「そうした存在はエウロパにもいる」
「そうですか」
「だがそれは人間が認識していないだけだ」
エウロパの者達がというのだ。
「その実はな」
「そうなのですね」
「そうかも知れない、そして妖精もだ」
「連合にもいますね」
「この動物園にもな」
今自分達がいる、というのだ。
「いるのかも知れない」
「我々が気付いていないだけで」
「物陰や死角にだ」
人が見えない場所にというのだ。
「いてな」
「そうしてですか」
「色々悪戯等をしているのかもな」
「そうですか」
「この世界には人間や生きもの以外の存在も暮らしている」
「妖怪や妖精も」
「そうだ、実は我々が今いる八条学園は妖怪スポットでもある」
大尉はこのことも話した。
「これがな」
「そうなのですか」
「そうだ、学園創設からだ」
十九世紀人類がまだ地球にあった頃からというのだ。
「ずっとな」
「妖怪の話が多いのですか」
「世界中から人が来るせいかな」
このことが影響してというのだ。
「兎角だ」
「妖怪の話が多いのですか」
「どうも仙人の様な教授もいるそうだしな」
「教授ですか」
「大学の方にな」
そちらにというのだ。
「そうした話もある」
「そうなのですか」
「千年以上生きているな」
「連合では仙人の話もありますね」
「中国からな」
この国からというのだ。
「仙術を極めてだ」
「不老不死の仙人になる」
「そうなった者もだ」
「いるのですか」
「この学園にはな」
「そうした話もありますか」
「それもまた連合だ、ただな」
ここで大尉はその目を鋭くさせてある人物の名前を出した、その人物は一体誰であるのかというと。
「サン=ジェルマン伯爵だが」
「あの謎の人物ですか」
上等兵もその名に反応した。
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