八条学園騒動記
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第七百十三話 ドクガエルその一
ドクガエル
大尉は上等兵を今度は両生類のコーナーに連れて行った、そこには蛙や井守や山椒魚達がいてだった。
その中にだ、黒や緑、ピンクで彩られまるでお菓子の様な配色の小さな蛙達がいた。上等兵はその蛙達を観て話した。
「毒がありますね」
「この蛙達にはな」
「そうですね」
「ヤドクガエルだ」
大尉はその蛙達の名前を話した。
「君の言う通り隊内に毒がある」
「そして若し食べると」
「死ぬ恐れがある」
大尉は独で最も恐れられていることを述べた。
「人間ではな」
「そうした生きものですね」
「熱帯に棲息している」
「それもアマゾンの様な」
「そうした地域に棲息していてな」
熱帯雨林気候の中でも最も気温が高く木々が鬱蒼と茂り雨が多い地域である。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「別に攻撃してこないがな」
「小さいですしね」
「食べたりしないと無害だ」
全くというのだ。
「大人しい、だから連合ではペットにもだ」
「していますか」
「連合でも蛙を食べるが」
エウロパでも食べる、ただしエウロパは足だけを食べるが連合はその全体を食べる。調理の方法も連合の方が多い。
「しかしこの蛙だけはな」
「流石に食べないですね」
「連合は毒のあるものでも食べるがな」
「河豚をですね」
「そうだが」
それでもというのだ。
「この蛙は小さく身体全体にだ」
「毒があるので」
「流石に連合でもな」
今自分達がいる国でもというのだ。
「流石にな」
「この蛙達は食べないですね」
「蛙は美味い」
大尉はその味の話もした。
「鶏肉に近くな」
「食べやすい味ですね」
上等兵も言った。
「私はあまり食べたことがないですが」
「それでも知っているな」
「はい、癖もなく」
そしてというのだ。
「食べやすく」
「美味いな」
「あれでな、連合は蛙以外の両生類も食べる」
大尉はこのことも話した。
「もっと言えば爬虫類もな」
「蜥蜴や蛇もですね」
「鰐や亀は特にな」
こうした生きもの達はというのだ。
「食べられる」
「そういえばスッポンを」
上等兵はこの亀の仲間のことを思い出した。
「連合ではよくです」
「食べるな」
「どの国でも養殖もして」
「そうだ、こちらも鶏肉みたいな味でな」
それでというのだ。
「美味いとな」
「評判ですね」
「それで蛙も食べるが」
「ヤドクガエルは流石にですね」
「食べない」
「そうなのですね」
「連合で食べるのはな」
それはというと。
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