| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

閃輝が目指す境地

魔法の森

「でぇあ!やぁあ!いやぁあああ!!!」

本来静かである筈の魔法の森の中で、閃輝の声が響いていた。
その手には『冥神剣』『スカーレット・ロンギヌス』が握られており、それを右手と左手に
分けて持ち一心不乱に剣と槍と振り続けていた。

「でぇえええい!!!」

剣と槍の重さは、合計で20キロを軽く超える。
それを軽々と持ち上げて自身の腕力だけで凄まじい速度で振るい続ける。
閃輝は幻想郷に戻ってから鍛錬に今まで以上に精を出している。
もはや異常とも言える量の鍛錬を積んでいる。体が壊れても可笑しくない程を。が
閃輝は能力で体力の回復速度を速めて鍛錬を続けている、このやり方は速度を司る能力を持ち得る閃輝だから出来る鍛錬の仕方である。

「せぇぇええい!!!」

回転の勢いで冥神剣が振るわれると、斬撃が空に放たれ雲を無造作に切り裂き尚も
空へ向かっていく。閃輝をそれを見て少し安心したように冥神剣を鞘に収めた。
スカーレット・ロンギヌスを地面に刺し、それに体を委ねるように座った。
閃輝の身体能力は、最早千冬など凌駕する程にまで成長していた、更に剣術の腕も鋼鉄でさえ、果物のように両断する事も可能になるほどの腕前となっていた。

「はぁはぁ・・・まだだ・・・俺はこんなもんで満足してたらいけねぇんだ・・・」

呼吸を荒くしながら自身の腕前に満足出来ない閃輝。彼は自身の弱さで重大なミスを
するのではないのかと、酷く恐れている。故に強さを貪欲を望む、だがそれは自身が鍛錬によって手に入られる強さのみ、それだけを貪欲に望む。

「俺は強くなるんだ・・・俺はこの幻想郷で生きていたい・・・この楽園を、俺が守りたい
大好きな人達を守る強さ、絶対にその境地に辿りついてみせる・・・」

そう言って空を見えあげると、切り刻んだ雲は見えず大きな雨雲が見えていた。そして
雨がポツリと閃輝の髪を濡らすと、次々と雨が空から降り、大降りとなる。
雨が服を濡らしながら、肌に染みていく。閃輝は何も言わずに雨に打たれていた。

「風邪、引いちゃうぜ。閃輝」

閃輝が顔を上げるとそこには、傘を持った魔理沙の姿があった。魔理沙は柔かに笑うと
槍を『ファンタズム・ナイト』ではなく背負っているスカーレット・ロンギヌス専用の鞘に収め、冥神剣を腰に下げている鞘に収めてから魔理沙から傘を受け取って傘をさして魔理沙と共に歩き始めた。

「また、特訓してたのか?」
「まぁね。もう少しで辿り着けそうなんだ、究極の剣の境地にね」

閃輝は笑顔で魔理沙に応えた、閃輝が目指しているのは剣が辿り着く境地、究極の攻撃を
繰り出す剣撃の境地。それに今一歩でたどり着けるという閃輝。
もしも辿り着く事が出来るのであれば覇狼とも剣では互角で渡り合う事も不可能ではない。

「でも、幾らなんでもやりすぎだぜ?もう少し体を大事にしろって」
「大丈夫だって。能力で回復速度を上げてるから」
「・・・よしそれならこっちだった手があるぞ。強制的にでも休んでもらうぜ」
「へ?」

次の瞬間、閃輝の視界は闇に包まれた。

「う~ん・・・」

閃輝は魘されるように目を覚ますと、そこは自分の部屋の中だった。いつの間に森から自分の部屋に戻ってきたのだろうか?でも魔理沙の姿はどこにも無い。

「あれ~?どうなってんだよ・・・」

閃輝は頭を掻きながら階段を下りていく。すると、雨だったはずの空はすっかりと晴れて太陽の光が降り注いでいる。閃輝は縁側に置かれている布団が目に付いた。

「あっ、雛さん?」
「あら閃輝君、勝手にお邪魔してごめんなさいね。でも布団を取り込ませて貰ったわよ」

縁側では、座っている雛がいた。閃輝は布団を取り込んで貰ったのに感謝した。

「雛さん、有難うございます。俺がしなきゃいけない事なのに」
「いいのよ、でも閃輝君。顔色が悪いわよ?」

雛は立ち上がって、閃輝の頬に手を当てていった。閃輝は距離が近い事で心臓が早打つ。
が顔色が悪い事は事実である、幾ら回復速度を上昇させて体力を回復していると言っても
完全に疲労が抜け切るというわけではない。疲労が少しずつ蓄積しているのだ。

「大丈夫ですよ」
「でもね・・・そうだわ、えい♪」
「おわぁ!?」

雛は閃輝を干している布団の上へ押し倒した。そして雛は閃輝の頭を胸に抱いた。
閃輝はあまりの事に顔を真っ赤にして、バタバタと暴れる。

「ちょっとぉ!?雛さん!!?布団が潰れちゃいますって!!!??」
「閃輝君はいい子いい子~♪」

雛は小さな子供をあやす様に閃輝の頭をさする、閃輝は抵抗を続けるが次第に大人しくなる

「(でも・・・布団もふかふかだし、雛さんも暖かいし・・・なんだか眠くなって・・・)すぅすぅ・・・」

閃輝は寝息を立て始める、愛する雛の胸の中で穏やかで安らかな気持ちで・・・

「これでいいのかしら?魔理沙」
「ああ、ありがとな」

雛が閃輝を抱きしめながら視線を反らすと、そこには魔理沙が愛用の箒を持って外に立っていた

「これで閃輝もゆっくり休んでくれるしな、雛にとっても良い事だろ?閃輝と寝られるんだから」
「ええ、私にとっても良い事尽くめね。でも咲夜にも同じような事を仕向けてあげてね
私達は閃輝君を同じように愛するって決めてるんだからね」
「解ってるぜ、でもこれから閃輝とメイド長、雛が結婚すると2人は私と兄ちゃんの義妹に
なるんだよな。ちょっと複雑だぜ」

魔理沙は頬を書きながら苦笑いをするが、雛は魔理沙の結婚っという単語に顔を真っ赤にしていた
その純粋さは、とても咲夜と共にあのような行動を取ったとは思えない。

「おいおい・・・既成事実作っといてその反応なのかぜ?まっ、とにかく閃輝の事を頼むぜ
私は兄ちゃんのお見舞いに行って来るぜ!」

そう言って魔理沙は、箒に跨って空へと消えていった。雛は未だに顔を赤くして、硬直していた。

その頃・・・永遠亭。闇夜の病室

闇夜は精神面にダメージを受けており、現在は永遠亭で療養中であった。
束が仕掛けたと思われる仕掛けで精神はかなりのダメージを受けているが
永琳の治療によってだいぶ良くなっているが魔理沙のファイナルマスタースパークを
まともに食らった事もあり、肉体的に休む事も必要とされていた。

闇夜は身体を起して、窓から外の景色を眺めていた。その手に自身のPE『煉獄の闇』が握られていた

「・・・煉獄の闇・・・迷惑かけたな。これからは俺の身体として生きてくれ」

そういって闇夜は、煉獄の闇を自身の胸の押し付けた。煉獄の闇は融ける様に闇夜の胸へと、取り込まれて、遂に煉獄の闇は完全に、闇夜と一体化した。

「ふぅ・・・寝るか」

そして、闇夜はベットに身体に預けて眠りについた 
 

 
後書き
ゆ「さあ、ハイパー次回予告タイムだよ!
幻想郷の人里にて、教師として奮闘するシャルロット
だけど、まだ不慣れな事もあり悪戦苦闘!
だけど彼女はめげずに努力を続ける!!」

衣玖「次回、IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

シャルロット先生奮闘記!

さて、今日もダンスの練習です」

ゆ「ではご一緒に」

ゆ、衣玖「「フィーバー!!」」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧