イベリス
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第百十二話 九月が進みその九
「まことにです」
「立ち止まることもある」
「ですがそうした時ことです」
「お酒を飲むんですね」
「そして飲まれて」
そのうえでというのだ。
「またです」
「前に進むことですね」
「はい、そして溺れない」
「そのことも大事ですね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「最近随分安くてしかも飲めるお酒もありますね」
速水は今度は酒のことも話した。
「そうですね」
「あっ、ストロングとか」
「そうしたお酒を買えば」
それならというのだ。
「安く多くです」
「飲めますね」
「しかも結構アルコール度が高かったりしますので」
こうした酒はというのだ。
「中々です」
「いいんですね」
「私は悪くないと思います」
こう話すのだった。
「インターネットでは批判もされていますが」
「安くて沢山飲めるからですね」
「ですから」
それでというのだ。
「常習性があるとです」
「言われますか」
「そうです、ですから」
「飲む人の問題ですね」
「どんなお酒も溺れますと」
そうなると、というのだ。
「非常にです」
「危ないんですね」
「ですから節度を以て飲めば」
こうした酒もというのだ。
「問題ありません」
「そうなりますね」
「ですが忘れる為に飲んで」
そしてというのだ。
「忘れたら飲まないのなら」
「いいですか」
「あくまで忘れるまでです」
そこまでというのだ。
「飲むことです」
「そうですか、じゃあそうした時は」
「そうされて下さい」
「そうします」
咲はまた答えた。
「そうなった時は」
「では。そして小山さんの人生は真っ当な道を歩めば」
「幸せになりますか」
「占いでもそう出ていますし」
タロットのそれでもというのだ。
「私は人相見も出来ますが」
「人相ですか」
「小山さんは表で真面目に生きられますと」
そうすればというのだ。
「それで、です」
「幸せになれますか」
「そうした方です」
こうも話すのだった。
「まことに」
「私はそうなんですね」
「間違っても裏の世界にはです」
「入らない方がいいんですね」
「そもそもそれは無法の世界であり」
「悪い世界ですね」
「少なくともお世辞にはいいとは言えない」
そうしたとだ、速水も話した。
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