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X ーthe another storyー

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第三十一話 墓参その三

「僕達は朝と夜はまず一緒にお食事を摂っていますね」
「はい、都庁で」
「その時に飲みもののお代わりを聞いてきますね」
 星史郎はというのだ。
「地の龍の誰もがですが」
「そのことからもわかりますか」
「はい、人のことを見ていて」
 そうしてというのだ。
「察することが出来て」
「痛みや気持ちもですか」
「わかる人です」
「若し人の痛みがわからないならな」
 草薙は優しい笑顔で話した。
「もう最初から興味もな」
「持たないですか」
「ああ、そうだろ」
 仲間達と共に墓の手入れをしつつ星史郎に話した、勿論星史郎自身も墓の手入れを行っている。七人全員で手分けしてそうしている。
「持たないだろ、けれどな」
「僕は、ですか」
「ちゃんとこうして墓参りをしてな」
「皆さんともですね」
「そうしていっているからな」
 だからだというのだ。
「ちゃんとな」
「出来ていますか」
「ああ」
 そうだというのだ。
「そしてそんな奴だってな」
「草薙さんも思われますか」
「そうさ、だから戦いになってもな」 
 天の龍の者達と、というのだ。
「そのことを忘れないでな」
「戦うことですか」
「そして最後まで生き残ろうな」
 草薙は星史郎にこうも告げた。
「それで最後はな」
「皆で集まって」
「楽しくやろうな」
「その時は俺が紹介しますから」
 封真も言ってきた。
「その木の前で皆で」
「仲良くですね」
「その木を見ながらです」
 そのうえでというのだ。
「美味いものを食べましょう」
「そうですか、それではです」
「ではその時は」
「皆さんで楽しみましょう、ですが」
 ここでだ、星史郎は。
 微笑み遠い目になってだった、こう言った。
「やはりやるべきことがです」
「ありますか」
「僕には。それを済ませて」
 そうしてというのだ。
「それからです」
「そうですか」
「はい、それでなのですが」
 星史郎は封真と話してから仲間達に話した。
「僕はいつもお墓参りの後あるお店に行っています」
「どういったお店ですか?」
「ケーキ屋さんです」
 封真に微笑んで答えた。
「僕の行きつけの一つでして」
「そちらに行ってですか」
「最後に楽しんでいます」
「そうされていますか」
「ですからこれから」
 墓参りの後はというのだ。
「よかったらです」
「そのお店にですか」
「行きましょう」
 こう言うのだった。
「皆さんがよかったら」
「それではです」
 封真は星史郎の申し出を笑顔で受けて応えた。 
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