海底で微睡む
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目覚め
…全て聞いた上で、何も理解できなかった。
管理者。作者。キャラクター。
私は何をすればいいの?
わからない。
でも、確かに選ばれてしまって、この役目から逃げることはできないことはわかった。
逃げるなんて選択肢ははなから用意されていない。これは決まりごと。
…また、目覚めなければいけない。
どんな試練が待ち受けているのだとしても。
どんな困難が待ち受けているのだとしても。
キャラクターとして生を受け、どこかにそれを操る作者がいる限り。
作者の手で創られただけの幻想にすぎない私に、自由はなんて。
…気は乗らないし、何もできないけど。それでも、私はこの道を進むしかない。
でも、もし管理者として、何かの権限を持って過ごせるのであれば。
…私の力で、また彼に会えるかもしれない。
「この扉の向こうに、本物のヴォイドが広がっている」
「それなら、この場所は……?」
「君を管理者へ勧誘する創作物のために、僕が用意した世界さ。君は前の創作世界では死んでしまったから……一応、天国的な扱いで創ってみたんだけど。あまり好みじゃなかったかな?」
「いえ!……とても綺麗で、素敵だと思います」
「そっか。それならよかった」
できることを、これからも続けていこう。今までそうやって、愚かな希望を抱きながら歩いてきた。
ゆっくりと浮かびあがる。光がさす場所へ。
目を覚ます時が来た。
後書き
おまけ
フィルウ「そういえば、ハクネさんって男性恐怖症だったと思うんだけど……僕とは普通に話せているね」
ハクネ「あれっ?たしかに……」
フィルウ「どうしてだろう?一応、管理者になって作者の支配からは逃れているわけだけど……だからと言って、そう簡単に男性恐怖症を克服するなんて話があるわけ……」
ハクネ「……あ」
フィルウ「ん?何かわかったのかい?」
ハクネ「フィルウさんのこと、最初そもそも人間だと思わなくて……てっきり、天使とか悪魔なのかと思ってて……」
フィルウ「あーーー……未知の生物なら大丈夫ってわけか」
ハクネ「……なんかすみません」
フィルウ「あはは……別に構わないよ」
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