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神々の塔

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第三十一話 天平の宴の後でその十一

 行基は強力な術を次々と放った、それは自分を回復させるものもあり戦は長引いていた。しかしだった。
 綾乃は仲間達にだ、八岐大蛇の背から言った。
「こうした時こそ焦ったらあかんで」
「そやな、戦は長引くと苛立つけどな」
 羅は青龍偃月刀を手に綾乃に応えた。
「そやけどな」
「焦ったら負けやし」
「腰を据えることやな」 
 トウェインもミョッルニルとバルムンクを手にしている、そのうえでの言葉だ。
「こうした時こそ」
「そやな、ほな一旦落ち着くか」
 施は落日弓を出していった、如意棒は今は宙に浮かせている。
「そうしよか」
「一旦陣を整えるか」
 メルヴィルはこう考えた、タスラムとビューナクを構えなおしつつそうした。
「ここは」
「それがええね」
 綾乃はメルヴィルのその言葉に頷いた。
「ちょっと落ち着いてそうしよ」
「六将星は前に出てくれるか」
 リーがその陣を話した。
「そして残る四人が後ろから援護するわ」
「六人で攻撃に専念してや」
 シェリルも言ってきた。
「私達が援護するさかい」
「ああ、頼むで」
 中里はシェリルの言葉を受けて言葉を返した。
「そっちは」
「ほな」
「そうして戦おうな」 
 冷静さを意識しながら話して陣を組んだ、そうして話した通りに戦いそのうえで行基を倒した。それからもだった。
 神霊達を倒し話かを自在に操る家持も倒した、そのうえで彼に言われた。
「これでだ」
「先にですね」
「進める」
 こう綾乃に告げた。
「是非行くのだ」
「ほなそうさせてもらいます」
「是非な」
 微笑んでの言葉だった。
「胸を張って行くのだ」
「まだ先は長いですが」
 行基も言ってきた。
「貴方達ならです」
「この塔を踏破出来ますか」
「拙僧は確信しました」
 まさにという言葉だった。
「実際に貴方達と戦って」
「そうしてですか」
「先に来られたお三方と力を合わされれば」
 エカテリーナ達のことも話した。
「必ずです」
「この世界を救えますか」
「はい、あの方々も立派な方々なので」
「しかもだ」 
 家持がまた言ってきた。
「あの者達だけではないな」
「星の人は」
 綾乃は家持にまた応えた。
「欧州の方の人も」
「そうだな、皆で力を合わせるとな」
 そうすると、というのだ。
「間違いなくだ」
「この世界を救えますか」
「そなた達ならな、行基殿も言われているが」
 その彼を見つつ話した。
「その力量がある」
「そやからですね」
「そうだ、ではな」
「これからもですね」
「この塔の踏破をな」 
 これをというのだ。 
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