| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十一話 喫茶店での出会いその九

「間違いなくな」
「そうですよね」
 咲もそれはと頷いた。
「やっぱり」
「だからお嬢ちゃんがさっきのお巡りさん恰好いいと思ったのはな」
 マスターは咲に笑顔で話した。
「いいことだよ」
「そうですか」
「自然のことだよ」
「そうなんですね」
「全く、警察とか自衛隊が嫌いでな」
 そしてそこにいる人達がというのだ。
「北朝鮮に行く奴はな」
「馬鹿ですね」
「あそこは自分達を支持する人しか入れないんだよ」
 北朝鮮はというのだ。
「だからあそこに行くならな」
「もう北朝鮮を支持している証ですね」
「そうなんだよ」
 まさにというのだ。
「もうな」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「そんな連中の言うことなんて聞かないで」
「お巡りさんや自衛官の人達をですね」
「好きでいろよ」
「そうなる様にします」
「これからもな」
「はい、それでこのお店に来たら」
 咲はマスターに約束してからさらに言った。
「さっきのお巡りさんにお会い出来ますか」
「この時間にな」
「わかりました」
 咲は強い声で頷いて応えた。
「それじゃあ」
「この時間にか」
「また来ていいですか?」
「断わる筈ないだろ」
 マスターは咲に笑顔で答えた。
「是非な」
「このお店にですね」
「これからもな」
「この時間にですね」
「来てくれよ」
「そうさせてもらいます」
「ただな」 
 ここでマスターは咲にこうも言った。
「お巡りさんと自衛官の人達は当直とか非番があってな」
「来られない日もですか」
「あってそれは基本な」
 そうした日はというのだ。
「内々のことでな」
「外の人達にはわからないですか」
「ああ、ご家族は知っててもな」
「やっぱりご家族はご存知ですね」
「けれどな」
 それでもというのだ。
「何時誰がいるかいないかなんて」
「そうしたお仕事ですと」
「わかったら困るからな」
 だからだというのだ。
「それでな」
「そうしたことはですか」
「俺達は知らないことだよ」
「じゃあそうした日にお会い出来なかったら」
「残念ってことでな」
 それでというのだ。
「納得してくれよ」
「わかりました」
「学校だって休みあるだろ」
「土日に祝日は」
「そうだしな」
「警察や自衛隊も同じですね」
「やっぱり休みがあるんだよ」
 そうなるというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧