八条学園騒動記
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第七百十一話 恐竜達その七
「連合は」
「そうなのですね」
「そしてそれだけの富があるからな」
だからだというのだ。
「恐竜も飼育するだけの動物園を持ててだ」
「その飼育設備もですね」
「これだけのものがある」
「キロ単位の広さで」
「そうだ、あと恐竜は先程餓えていないと襲わないと言ったな」
「はい」
上等兵もその通りと答えた。
「左様でした」
「だから狂暴なイメージがあってもな」
「そうでもないのですね」
「そうなのだ」
そうした動物だというのだ、大尉は恐竜達の巨大で格好いいがそれと共に恐ろしさもある姿を見つつ話した。
「これがな」
「あくまでイメージだけですね」
「実際に獣害もな」
これもというのだ。
「恐竜がいる星でもな」
「少ないですか」
「哺乳類の方がだ」
彼等の方がというのだ。
「その害は大きい」
「そうなのですね」
「また言うが連合は農耕国家でな」
それでというのだ。
「基本は」
「獣害は重要ですね」
「農業をするにあたってな」
「田畑を荒らす獣は問題ですね」
「今もそうであり続けている」
まさにというのだ。
「そうなっている」
「そうなのですね」
「だが恐竜はな」
「案外ですね」
「畑は襲わない」
「そうなのですね」
「巨大だから発見しやすく対策もな」
「立てやすいのですね」
「しかも恒温動物だ」
「寒冷地にはあまりおらず」
「そして夜もな」
「あまり行動しないですね」
「そうだ、体温が一定に達していないとな」
さもないと、というのだ。
「行動が鈍る」
「そうなのですね」
「だから常に行動出来る哺乳類の方がだ」
「厄介ですね」
「そうだ、まあ熱帯ならな」
「夜も行動することが多いですね」
「そうだがな」
恐竜もというのだ。
「しかしな」
「寒冷だとな」
「どうしてもそうなりますね」
「寒冷地に爬虫類は少ないな」
「それと同じで」
「夜も気温が高いとだ」
「行動に問題はなく」
「冬だとだ」
この季節ではというのだ。
「爬虫類は冬眠に入る」
「両生類や昆虫と同じで」
「まあ哺乳類もだがな」
「熊や栗鼠ですね」
「そうして冬を過ごす」
その寒さをやり過ごすのだ。
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