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八条学園騒動記

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第七百十一話 恐竜達その一

                恐竜達
 見れば恐竜のコーナーは子供達そして彼等の保護者達で一杯だった、上等兵はその状況を見て大尉に話した。
「これまでのです」
「象やゴリラのコーナーよりもな」
「より多くの人がいますね」
「特に子供が多いな」
「そうですね、男の子も多いですが」 
 上等兵は様々な人種の彼等を見つつ話した。
「女の子もですね」
「それだけ恐竜が人気があるということだ」
「子供達からですね」
「子供は大きいものが好きでな」
 そしてというのだ。
「特に外見が独特だとな」
「余計に好きになりますね」
「だからだ」
「子供は恐竜が好きなのですね」
「そういうことだ」
 大尉も子供達を見ている、そのうえで上等兵に話した。
「要するにな」
「そういうことですね」
「そしてだ」
 大尉は話を続けた。
「引率の親もな」
「彼等もですね」
「やはりな」
「恐竜が好きですね」
「子供の頃の思い出がだ」
 それがというのだ。
「今もな」
「残っていて」
「それを思い出してだ」
「恐竜を見たいのですね」
「恐竜、他の生きものもだが好きでもな」 
 そうであってもというのだ。
「別に悪いことではない」
「むしろいいことですね」
「自分以外の生きものを全て忌み嫌う輩もいる」
 この世にはだ。
「まさに自分しかだ」
「好きでないですね」
「自分以外はな」
 それこそというのだ。
「嫌悪の大将の様な輩もな」
「鼬の出来損ないの様ですね」
「そんな輩は誰からも忌み嫌われる」
「自分がそうであるので」
「嫌えば嫌われる」
 大尉はこうも言った。
「そうだ、それに嫌うと常に感情にそれが宿りな」
「嫌悪感ですね」
「心を蝕む」
 嫌いな対象について考えると、というのだ。
「そして心に毒が宿りな」
「毒ですか」
「そしてそれが顔にも出る」
「人相ですね」
「その様な輩の人相は元はどうでもな」 
 それが幾らよくともというのだ。
「悪いものになる」
「心は顔に出ますね」
「そういうことだ、そしてだ」
 大尉はさらに話した。
「好きなものが多いことはな」
「いいことですね」
「それは心を豊かにし」
「自分以外の生きもの全てが好きなら」
「さらにいい」 
 そうだというのだ。
「心が豊かになりそれが薬となりだ」
「顔に出ますね」
「そして人相がよくなる」
 そうなるというのだ。 
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