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神々の塔

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第三十話 多くの神々その二

「これがな」
「そやねんな」
「というか古事記の話が滅茶苦茶やしな」
 羅は彼が知っている話をした。
「倭建命さんのな」
「その大碓命さん殺す時の話がな」
「お父さんの言うこと聞かんでな」
「食事の時に一緒にならんでな」
「お父さんの帝に注意してこいって言われて」 
 そうしてであったのだ。
「掴み潰して手足もぎ取って」
「包み込んで投げ捨てたな」
「滅茶苦茶やろ」
 羅は古事記のこの話をリーとして言った、この記述は実際に古事記を読むと書かれていることである。
「それは」
「お兄さんを些細なことで惨殺してるな」
「しかも人を掴み殺すってな」
「どんな怪力か巨体か」
「わからん位や」
「そやから私は古事記の話よりもな」 
 そちらよりもというのだ。
「日本書紀の方をな」
「信じてるか」
「実はあの人はな」
「美濃にか」
「送られて」
 そうしてというのだ。
「守りにや」
「あたってたか」
「あれか?」
 ここで言ったのはトウェインだった。
「養子か何かに出されて」
「美濃の有力な豪族さんの家にやな」
「そこの婿養子にや」
「出されてやな」
「家を継がされてな」
 その豪族のというのだ。
「そこに入ったか」
「そうかもな」
 リーも否定しなかった。
「実際にあっちにはあの人を祀った神社あるしな」
「あっ、こっちの世界でもあるで」
 綾乃が言ってきた。
「あの方の神社は」
「美濃にやな」
「うちも日本の棟梁やったし」
 十星連合の棟梁になる前はというのだ。
「色々寺社のことも政に入ってたし」
「政教分離を進めてたな」
「それで巫女やし」
 この職業にあってというのだ。
「それでやねん」
「職業のこともあって」
「色々知ってるけど」
 この世界の神道そして神社のことをというのだ。
「あの方の神社この世界でもあるで」
「そやねんな」
「そしてな」
「神霊さんにもやな」
「なられてるで」
「そやな」
「日本の八百万の神々の中に」 
 まさにその中にというのだ。
「ちゃんとな」
「おられるな」
「弟さんと一緒に」
 倭建命と、というのだ。
「それで別に仲も」
「悪ないか」
「そやで、何でか知らんけど」 
 首を傾げさせつつだ、綾乃はリーに話した。 
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