イベリス
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第百九話 生と死その十三
「警察呼ぶことよ」
「通報ですか」
「犯罪やってる可能性も高いし」
そうした輩はというのだ。
「だからよ」
「通報して」
「もうね」
「関わらないべきですね」
「ええ、お父さんは擦れ違っただけだけれど」
「それで確信されたんですか」
「絶対にまともな奴になっていないって言ってたわ」
そのかつての同級生はというのだ。
「私にね」
「刺青ってそうしたことを見極める要素ですね」
「見えないところに入れていても危ない人でね」
「すぐに見える場所だと」
「まずね」
極めて高い可能性でというのだ。
「碌な人じゃないわ」
「そういうことですね、それで私達もですね」
「そんなの入れないことよ」
「消すのに凄く時間かかるそうですし」
「お金もね」
こちらもというのだ。
「そもそも入れることでもね」
「お金かかりますね」
「痛くて時間もかかってよ」
そうしてというのだ。
「滅茶苦茶ね」
「お金かかりますね」
「そうなるから」
それ故にというのだ。
「入れるメリットなんてね」
「ないですね」
「外国じゃファッションでも」
「普通にあるファッションかというと」
「やっぱり多くの国で違うわね」
こう咲に言うのだった。
「大抵の国ではね」
「刺青は入れないですね」
「普通の人はね」
「やっぱりそうですね」
咲もそれはと頷いた。
「刺青というものは」
「だからね」
「そんな入れるものじゃないですね」
「やっぱりね」
「私普通のままでいます」
あらためてだ、咲は先輩に答えた。
「フアッションは」
「そうした方がいいわよ、そんな一生のものは入れないで」
「普通に服とかアクセサリーでいいですね」
「そうよ、まあ咲っちタトゥー嫌いだし」
「しないです」
「それならそれでいいわ」
副部長は咲に笑顔で言った。
「真面目なファッションでいってね」
「そうしていきます」
咲も約束した、そしてそんな中で咲はあるファッションに注目することになった。そしてそのことを自分でも言うのだった。
第百九話 完
2023・5・1
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