| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十四部第三章 円明園の会議その四十七

「そうしていくわ」
「今はそうですね」
「各国政府と動きを合わせる様にして」
「その準備を進め」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「中央政府に対するのよ、今言った通りね。そして中央政府で主な相手は」 
 そうなる者は誰かというと。
「カバリエ外相と金内相よ」
「中央政府の女傑二人ですか」
「お二人が、ですか」
「強敵でありますね」
「お二人共かなりの知力と政治力です」
「それぞれタイプが違いますが」
「手強いわ、ただ私は二人のことは知っているわ」
 ここではだった、伊東は。
 その目に楽し気な光を宿し笑みを浮かべた。そうして言うのだった。
「よくね」
「長所だけでなく短所も」
「そう言われますか」
「お二人のことを」
「その様にですか」
「ええ、だからね」
 それ故にというのだ。
「対することが出来るわ、私にとってはカバリエ外相の方が厄介ね」
「金内相よりもですか」
「そう言われますか」
「金内相は正統派よ」
 そうしたタイプだというのだ。
「政治家としてですね」
「表の政治しかされない」
「そうした意味ですね」
「今のお言葉は」
「左様ですね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「私にとっては金内相の方が対しやすいわ」
「ではカバリエ外相は、ですか」
「難敵ですか」
「首相にとってはそうですか」
「カバリエ外相は私とはタイプは違うけれど」
 それでもというのだ。
「清濁併せ呑むであらゆる政治的手段を使うわね」
「はい、確かに」
「非常に器の大きな方で」
「何をしなければいけないということはなく
「どの様な手段も用いられますね」
「私は謀略は使うわ」
 今度は自分のことを言うのだった。
「表の政治も使うけれど」
「その謀略が、ですか」
「カバリエ外相にはどうか」
「そう言われるのですね」
「そう、カバリエ外相は謀略は然程使わないけれど知っていてね」
 そしてというのだ。
「そのうえで見破るわ」
「策略は見破られない」
「そうあるべきですね」
「そうでこそ効果がありますね」
「策略というものは」
「そうよ、策略は見破られると意味がないどころか」
 それで済まないというのだ。
「倍にして返されるわ、策略はリスクもあるものよ」
「ただ使えばいいというものではない」
「若し破られるとですか」
「倍になって返されますか」
「そうよ、見破られた策略は意味がなくなって」
 そしてというのだ。
「そして逆に攻められる」
「だから倍ですね」
「倍になって返されるのですね」
「そうなるのですね」
「だから危険なものでもありますか」
「それが策略よ、そこはスポーツでもそうだけれど」
 伊東はさらに話した。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧