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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その四十五

「はっきり言うとね」
「左様ですね」
「日韓関係は」
「韓国の対日は簡単には変わらない」
「千年の間日本だけに対していた」
「そうした状況だったので」
「それが簡単に変わる筈のないもので」
 それでというのだ。
「まさに何世代もね」
「かかりますね」
「ではですね」
「こちらも腰を据えてですね」
「努力していきますね」
「ええ、ただ日本はね」
 どうしてもとだ、伊東はさらに述べた。
「韓国だけを見ている訳でもないし」
「はい、日本は連合全体です」
「連合全体を相手にしている国です」
「三百以上の各国政府とです」
「中央政府に対している国です」
「韓国だけを見ていないわ、むしろ」
 伊東はここでも冷静な顔で述べた。
「韓国は各国のうちの一国よ」
「それに過ぎないですね」
「日本にとっては」
「確かに各国ごとに外交の優先順位はありますが」
「韓国は低いですね」
「どうしても」
「そうよ、六大国の他の国がまずあって」
 そしてというのだ。
「他の大国、ケベックやオーストラリアに南アフリカとあって」
「東南アジアにアルゼンチン」
「こうした国々との外交があります」
「そして韓国はその後です」
「その前に日系国家との交流もあります」
「また君主国ともです」
 日本は君主国だ、それでこうした国々との交流も深いのだ。
「交流があります」
「そこでようやく韓国です」
「その順番です」
「韓国はそうした国です」
「優先順位はそれ位の国です」
「どうしてもです」
「韓国に常に努力を割いてもね」 
 外交的努力、それをというのだ。
「正直実りは少ないわ」
「それが現実ですね」
「そこが韓国と事情が違いますね」
「どうしても」
「そこは違いますね」
「そう、だからね」
 それ故にというのだ。
「努力はしても」
「ある程度ですね」
「それ位に止まりますね」
「現実として」
「そうなるわ」
 こう言うのだった。
「韓国と我が国の貿易の割合も多くないし」
「一パーセント以下ですからね」
「我が国の貿易に占める割合は」
「日本全体のものから見て」
「さして多くはありません」
「韓国にとって我が国は最大の貿易相手国であるけれど」
 それでもというのだ。
「日本はそうよ」
「そうですから」
「これといってですね」
「我々としては」
「さしてですね」
「貿易相手国として重要でないこともあり」
「外交的努力もね」
 普通の関係にする為のそれもというのだ。 
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