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ドリトル先生と桜島

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第十幕その四

「沢山の人達が努力をしてきたんだ」
「如何にしていいお肉になるか」
「考えてやってみて」
「それでだね」
「生み出されたものだね」
「そうなんだ、だからね」  
 そうした事情があるからだというのです。
「そうしたことも思いながら」
「それでだね」
「皆で食べるんだね」
「そうするんだね」
「今も」
「そうだよ、だから間違ってもね」
 先生はしゃぶしゃぶをタレに着けてそうしてから食べます、タレもあっさりとした味付けになっています。
「粗末にしたらいけないけれど」
「ああ、さっき宮崎牛のお話が出たけれど」
「あの時は酷かったね」
「本当にね」
「お話を聞くとね」
「当時の政府は防疫を放棄してね」
 牛へのそれをというのです。
「牛が病気になるってお話が出た時に」
「その時の農林水産大臣がね」
「大切な時に外遊に出てね」
「何も手を打たなくて」
「それで大変なことになって」
「それで手遅れになって」
 そうなってというのです。
「多くの牛を殺処分しなくてはいけなくなって」
「宮崎の人達が泣いたね」
「特に他ならぬ肉牛を育てていた人達が」
「手塩にかけて育ててきたのに」
「そうせざるを得なくなって」
「あの時の政府はとんでもない失敗を色々して」 
 そしてというのです。
「経済も国防も滅茶苦茶になってね」
「震災でも酷かったね」
「あの時の対応もね」
「最低としか言い様がなくて」
「それで宮崎牛だってね」
「そうだよ、そんな酷い無策で最悪の結果になって」
 先生は残念そうに言いました。
「帰って来た大臣が言った言葉はね」
「人間性疑うものだったね」
「あの時殺しておけばよかったとか」
「命を何と思ってるのかな」
「そして畜産の人達の悲しみを」
「その苦しみをね」
「そういうことが一切わからないわかろうともしない人だったんだよ」
 先生は断言しました。
「その時の大臣はね」
「そうだね」
「人間ですらないね」
「最早ね」
「あそこまでなると」
「テロが起こって」
 そうしてというのです。
「そのテロが政府、つまり国家権力に反対するからいい」
「そう言う人と同じだね」
「もうね」
「レベル的には」
「最早」
「そう思うよ。テロで犠牲になった人達は無関係に殺されて」
 そうしてというのです。
「残された遺族の人達もどれだけ悲しいか」
「テロはそうした行為だよね」
「権力に反対云々じゃないよ」
「それはね」
「最早ね」
「そうしたことを考えないでね」
 それでというのです。
「考えようともしないで」
「権力に反対するならテロもいい」
「罪のない人達が犠牲になって殺されてもいい」
「遺族の人達がどれだけ悲しんでも苦しんでもいい」
「そんなことはどうでもいい」
「考えないし考えるつもりもない」
「それで人間と言えるのか」
 最早と言う先生でした。 
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