Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「飲みものもな」
「このお店いいですね」
　遊人はフルーツゼリーを上に乗せたケーキを食べてからミルクティーを飲んだ、そのうえで草薙に応えた。
「そちらも」
「だろ？俺はそっちも好きでな」
　草薙もミルクティーを飲んでいる、見れば全員飲みものはそちらだ。
「この店気に入ってるんだよ」
「そうなのですね」
「ああ、飲みものも美味いとな」
　食べものだけでなくというのだ。
「本当にな」
「言うことなしですね」
「全くだよ」
「病みつきになりそうですね」
　哪吒はティラミスのケーキを食べながら言った。
「ケーキもよくて」
「飲みものもでな」
「本当に」
「ケーキ以外も美味いんだよ」
　草薙は哪吒に目を細めさせて話した。
「プリンもアイスクリームもパフェもな」
「そうしたものもですか」
「全部美味くてな」
「草薙さんもですね」
「この店好きなんだよ」
　そうだというのだ。
「それでよく来るんだよ」
「そうですか」
「それでな」
　草薙はさらに話した。
「和菓子とか中華菓子もな」
「草薙さんはお好きですか」
「甘いものは何でもな」
「そうなんですね」
「だから甘いものの話ならな」
　それならというのだ。
「何でも言ってくれよ」
「わかりました」
「甘いものはいい糖分補給にもなって」
　颯姫はチーズケーキを食べながら話した。
「味覚もね」
「楽しめるよな」
「ええ」
　草薙に顔を向けて答えた。
「とてもね」
「本当にそうだよな、甘いもの食うと元気も出るんだよ」
「だから私もよく食べるわ」
「それは何よりだ、おかわりもするか」
「悪くないですね」
　星史郎はモンブランを食べている、フォークを動かしつつ草薙に応えた。
「ではそれぞれそうしましょう」
「好きなもの食おうな、それであんた」
　草薙は星史郎に応えて言った。
「何かな」
「何でしょうか」
「いや、都庁では何か近寄りにくい感じだったけれどな」
「そう思われましたか」
「こうして一緒に食って話してるとな」
　そうすればというのだ。
「そうでもないな」
「そうですか」
「俺はあんたのこと嫌いじゃないさ」
「僕もですよ、皆さんに悪い印象はありません」
　星史郎は笑顔で応えた。
「皆さんいい人だと思います」
「そうよ、ここに悪人はいないわ」
　庚が応えた。
「私以外にはね」
「そう言う貴女も」
　星史郎は庚にも言った。