八条学園騒動記
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第七百九話 大きな家畜達その六
「尚且つ鯨飲馬食だ」
「兎角大食で」
「しかも飲む」
「バイキングの様に」
上等兵はまたこう言った。
「そうでしたね」
「そうだ、そしてその大食は目の前のだ」
「大きな家畜達からももたらされていますね」
「あの鳥だが」
ここでだ、大尉は。
目の前にドードーが歩いているのを見て指差した。見ればその太った身体でよちよちとした感じで歩いている。
「ドードーだが」
「連合では家畜化していますね」
「実はあの鳥はまずいのだ」
「そうなのですか」
「地球にまだ棲息していた頃だ」
モーリシャス諸島に棲息していた。
「試しに食べてみるとな」
「まずかったのですか」
「それもかなりな」
「そうだったのですか」
「だが連合ではな」
この国ではというのだ。
「そのドードーもだ」
「家畜化して」
「肉も品種改良してな」
そのうえでというのだ。
「今は卵もだ」
「食べていますか」
「当然内臓も骨もな」
「料理に使っていますか」
「羽毛もあるが」
「そちらも使いますね」
「服やベッドにな」
そうしたものにというのだ。
「用いている」
「そうしていますね」
「兎角な」
「まずかったドードーもですね」
「品種改良してだ」
「食べていますか」
「しかもドードーは一階の出産で卵を一つしか生まなかった」
その為増えにくかったがそこに人間が持ち込んだ犬や鼠に雛や卵を襲われ個体数を激減させられ遂には絶滅させられたのだ。
「それを鶏の様にな」
「毎日産む様にですか」
「無精卵でな」
まさに鶏の様にというのだ。
「そうする様にした」
「そうなのですね」
「そこまでしてだ」
「連合は食べる国ですね」
「執念を燃やしてな」
そのうえでというのだ。
「そうしている、生きる為に食べるのではなく」
「食べる為に生きるですね」
「食事への執念はな」
連合のそれはというと。
「エウロパの中ではフランスやイタリアが有名だが」
「スペイン等もそうですね」
「連合は国全体がな」
「フランス等並ですか」
「フランスやイタリア以上にだ」
さらにというのだ。
「上だ」
「そうなのですね」
「だから食文化もな」
これもというのだ。
「かなりのものになっている」
「そういうことですね」
「その元にな」
「家畜もありますね」
「そういうことだ、この巨大なな」
「家畜達もですね」
「その中にある、そして声以外がな」
またこう言うのだった。
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