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ラビットアドベンチャー

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第三章

「そうだね」
「はい、ほんの小さな女の子で」
 時計はブロンドの髪の毛に赤い大きなリボンを付けている水色の服を着た可愛らしい女の子を見ながら兎にまた答えました。
「何もです」
「持っていないんだね」
「そうです」
「なら気にしなくていいよ」
 全くとです、兎は時計に答えました。
「このままね」
「走ってですね」
「先に進んでいくよ」
「そうしますね」
「ここからチェシャ猫さんのところに行けば」
 兎はさらに言いました。
「間に合う様になるから」
「それではですね」
「女の子は気にしないで」
 そうしてというのです。
「走っていくよ」
「わかりました」
 時計もそれならと言葉で応えました、そうしてです。
 兎は女の子を振り向くことなくどんどん走っていきます、そして穴に入ってその中をどんどん落ちていってです。
 着地した先もさらに進んで、でした。
 多くの生きものや子犬達に挨拶をして森に入って茸の上の芋虫に挨拶をしました。
「こんにちは」
「茸食っていくかい?」
「今はいいよ」
 こう挨拶をして公爵夫人のお家の前で魚と蛙の従僕に聞きました。
「公爵夫人もお茶会来るね」
「そうだよ」
「これから行くよ」
「では僕は走って行くよ」
 こう挨拶をしてです、今度は。
 森のチェシャ猫のところに行くとこう挨拶しました。
「こんにちは」
「やあ、お茶会に行くのかな」
「今からね」
「そうかい、じゃあ楽しんできなよ」
「そうしてくるよ」
 駆けながらやり取りをしてでした。
 兎はさらに走っていきます、そして。
 さらに進んでいって遂にでした。
 庭園に着きました、するとトランプの兵隊に呼び止められました。
「招待状を持っているか」
「こちらに」
 すぐにでした。
 兎は兵隊さんにタキシードの裏ポケットから招待状を出しました、そうしてそれを見せて言いました。
「ありますよ」
「よし、入ってよし」
「それでは」
「しかし貴方の到着はぎりぎりだったよ」
 兵隊さんは兎にどうかという顔で言いました。
「遅れていたらね」
「もう入れてもらえなかったね」
「それで女王陛下の癇癪を受けて」
 そうしてというのです。
「下手をしたら」
「斧で首をだね」
「そうなっていたよ」
「いやあ、間に合ってよかったよ」 
 そう言われてです、兎は震え上がって言いました。 
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