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X ーthe another storyー

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第二十七話 集結その五

「貴方が地の龍になった時にね」
「はい、何か強烈な禍々しいものが来ました」
 封真は確かな声で答えた。
「姿は見えないですが」
「貴方に来たのね」
「俺の心に」
 まさにそこにというのだ。
「まるで俺の心を奪い取る様に」
「そうだったのね」
「殺せ、壊せと」
 封真はさらに言った。
「俺に言ってきました」
「それで貴方はその声に反発したのね」
「目の前の小鳥を殺せとさえです」
「言って来たのね」
「ですが俺は約束しました」
 ここでもだ、封真は確かな声で言った。
「小鳥そして神威を護ると」
「だからなのね」
「信じられないまで強い力でしたが」 
 それでもというのだ。
「その力をです」
「貴方は退けたのね」
「それで小鳥を殺さずに済みました」
 今度はほっとした顔で話した。
「そうなりました」
「それは何よりだったわね」
 庚もほっとした顔で応えた。
「貴方にとっても」
「俺もそう思っています」
「そうなのね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「このことは言っておきたいのですが」 
 封真は庚に真面目な顔で言った。
「地の龍の役目はわかっています」
「人間を滅ぼして地球を救う」
「そのことは」
「それでもなのね」
「ですが俺は約束しました」
「二人をよね」
「護ると。ですから」
 それ故にというのだ。
「俺は二人は殺さないです」
「何があってもなのね」
「はい、そうします」
「いいわよ」 
 庚は封真のその言葉に微笑んで応えた。
「そうしても」
「いいのですか」
「貴方こう思っているわね」 
 自分の言葉に意外といった顔になる封真にさらに言った。
「人間を滅ぼすのなら二人もね」
「はい」
 その通りだとだ、封真は答えた。
「まさに」
「普通はそう思うわね」
「違うのですか」
「おいおいわかるわ」 
 真実は隠して言った。
「そのことはね」
「そうですか」
「少なくとも私達は地球は救うから」
 この考えは否定しなかった。
「そのことは目指すわ」
「では人間は」
「それはね」
「わかることですか」
「これからね」
 こう言うのだった、今は。
「そういうことでね」
「そうですか」
「ええ、それでね」
 庚はさらに話した。 
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