仮面ライダーカブト 明日のその先へ
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第二十九章
暫く経ってから。渋谷にまた戦士達が集結した。
天道もいる。他のライダー達も。彼等とゼクトルーパーの戦士達はもう何時でも戦える態勢に入っていたのであった。
「天道」
その中で加賀美が天道に声をかけてきた。彼もまたそこにいたのだ。
「ひよりは!?」
「安全な場所に逃がした」
「安全な場所!?」
「そうだ」
加賀美の言葉に答える。42
「だから安心しろ。後ろの心配はない」
「そうか。それならいいんだがな」
「後はワームとネイティブを倒すだけだ」
天道は前を見据えて言った。
「いいな」
「ああ、わかっている」
「加賀美、こっちはもういいぞ」
大和が加賀美に声をかけてきた。
「ゼクトルーパーはありったけの装備をした」
「援護は充分だ」
織田も述べてきた。
「何時でもいい」
「そうか、それじゃあ」
「行くぞ」
今度は黒崎が口を開いた。
「ワーム、ネイティブとの最後の戦いだ」
「既に前方にかなりのワームの反応があるわ」
岬が彼等に告げてきた。
「多分渋谷だけじゃなく日本にいる全部のワームが」
「全部か」
「そしてネイティブもだ」
今度は相川が述べてきた。
「呆れるだけの数がいる」
「ワームもネイティブも敵同士だったんですよね、確か」
上城はそのことを加賀美に尋ねてきた。
「俺いつも一方としか戦っていなかったから」
「ああ、そうだけれど」
加賀美は上城にそう答える。
「その関係はかなり悪いな。同じような種族なのに」
「人間と同じだ」
田所は戸惑う彼等にそう述べてきた。
「人間とですか」
「そうだ。結局ワームもネイティブも人間と同じ心を持っているからな。立場が違うだけで争いになる。それだけだ」
「それだけなんですか」
「今更何を言っている、睦月」
橘が驚きを隠せない上城に対して言ってきた。
「御前だってそうだった筈だ」
「俺も」
「御前には手を焼いたぞ」
剣崎は苦笑いを浮かべて彼に声をかけてきた。
「色々とな」
「すいません」
「何か橘さんと睦月君って色々あったみたいね」
「そうみたいだな」
三輪の言葉に禍木が頷く。
「カテゴリーエースに取り込まれたりして」
「えっ!?」
志村は二人のその言葉に思わず引いた。
「カテゴリーエースにって」
「昔のことだよ」
「いや、それでもそれって」
「ああ、今は大丈夫だから」
剣崎は今度は屈託のない笑いで志村に言ってきた。
「俺だってジョーカーから人間に戻ったし睦月も同じか」
「そうですか」
「そうさ。だから」
「アンデッドから人間にか」
風間はそれを聞いてふと呟く。
「そうなればよかったがな」
「兄貴、いよいよだな」
「相棒、覚悟はいいな」
「ああ」
矢車と影山は渋谷の方を見て言葉を交えさせていた。矢車は腕を組み影山はやけに意気込んで両手の拳を握っている。影山はかなり気合が入っていた。
「行くぜ、戦いに勝って白夜の光を」
「掴むぞ」
「俺も光があるな」
風間はそんな二人の言葉を聞いてまた呟いた。
「これが終わったらゴンと一緒に何処かに行くか」
「誰にでも光はある」
天道は前を見据えて一人言った。
「それに気付くか気付かないだけだ」
「そういうことだな。俺も同じだった」
田所は天道のその言葉を聞いて応えた。
「実際ネイティブだって分かった時は辛かったからな」
「そうだったんですか」
加賀美はそれを聞いて田所に顔を向けた。
「田所さんも」
「昔のことだがな。今は流石に違うが」
「克服したってことですね」
「そういうことだ。じゃあそろそろ時間だ」
ライダー資格者達に声をかけた。
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