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X ーthe another storyー

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第二十六話 決断その十五

「お話もね」
「通じるか」
「うん、だからね」
「そうだといいがな」
「まあ何はともあれ小鳥ちゃんは生きてる」
 空汰はこのことを素直に喜んで話した。
「そのことを喜ぼうな」
「今はか」
「それで全員揃ったしな」
「天の龍がか」
「このこともな」
「喜ぶことか」
「素直にな」
 まさにというのだ。
「そうしよな」
「その二つのことをか」
「そや、どっちもええことやろ」
「そうだな、ではな」
「これからやな」
「何をするつもりだ」
「パーティーや」
 それだとだ、空汰は笑顔で答えた。
「それしかないやろ」
「こうした時はか」
「ええことがあってお祝いするならな」
 それならというのだ。
「ほんまな」
「そうだな、ではな」
「ああ、楽しくやろうな」
「いいですね」
 護刃は空汰の提案に笑顔で応えた。
「小鳥さんがこうしてご無事で私達も全員揃ったんですから」
「確かにとても嬉しいことですね」
 征一狼もにこやかに賛成の意を述べた。
「それでは今から」
「それで何を飲んで食べるのかしら」
 火煉も乗り気だった。
「これから」
「食材は色々あります」
 嵐が答えた。
「冷蔵庫の中に」
「お酒もあったね」 
 昴流はそちらの話をした。
「それではそちらも出して皆でお祝いしよう」
「お料理でしたら私が」
 小鳥は自分から申し出た。
「作らせてもらいます」
「いや、大変なことがあった後だ」
 すぐに神威が言って来た。
「だから小鳥はな」
「いいの?」
「ゆっくり休んでいってくれ」
「けれど」
「ああ、わい等が作るからええで」 
 空汰も小鳥に言ってきた、それも優しく。
「別に」
「そうですか」
「お酒はワインとかビール出して」
 空汰は酒の話もした。
「それでな」
「そうしてですか」
「パエリアにスペアリブ、サラダにペスカトーレもな」
 こうしたものもというのだ。
「作るさかい」
「いいですか」
「ゆっくり休むんや」
「そうです、小鳥さんは今は休んで下さい」
 護刃も言って来た。
「私達これでもお料理得意なんですよ」
「そうなのね」
「ワン」
 ここでだ、犬鬼が鳴いたが。 
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