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仮面ライダーカブト 明日のその先へ

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第二十四章

 しかし今の彼には加賀美だけではなかった。彼は決して孤独ではなかったのだ。
「ディスカビルを任せられるのは爺やと。そして」
 そう言ったうえで岬を見てきた。
「ミサキーヌ。君だけなのだ」
「任せてもらっていいのね」
「是非共」
 また答える。
「だからだ。俺は君の全てを信じたいのだ」
「わかったわ」
 その言葉ににこりと笑ってきた。
「それじゃあ今まで通りやるわね」
「うむ、それで帰ったならば」
「どうするの?」
「遠乗りにでも行こう」
 またかつての神代に戻ってきた。周りを呆れさせてきた神代の言葉のはじまりだった。
「二人でな。いいな」
「わかったわ。遠乗りね」
 岬はくすりと笑って神代のその言葉に頷いてきた。
「二人でね。何処までかしら」
「何処までもだ。そう」
 勝手に自分の世界に入ったうえで述べていく。
「俺と君が永遠に先を進んで行く為にだ。そう、何処までもな」
「坊ちゃま、馬もそのままですので」
「そうか、俺がいない間も可愛がってくれていたのだな」
「勿論です」
 爺やはにこりと笑って神代に答える。
「ですから」
「わかった爺や、そしてだ」
 彼はさらに言葉を続ける。
「これから屋敷に戻り爺やの料理を食べたい」
「私の」
「久し振りにな。いいか」
「はいっ」
 彼のその言葉を聞いて晴れやかな笑顔になる。
「喜んで」
「ミサキーヌ、共に」
 そのうえでまた岬に声をかける。
「行こう、いいな」
「わかったわ、それじゃあ」
「うむ、行くか」
「ええ。じゃあ行きましょう」
 こうして神代はサルを後にして屋敷に戻った。そしてそこで岬と共に懐かしい爺やの料理を食べるのであった。彼にとってはこの上ない幸せの時間を過ごしたのであった。

 サルを去った剣崎達はハカランダに戻ろうとする。七台のバイクと虎太郎が運転するジープといった顔触れである。進んでいるうちにふと相川はある場所に向かって行った。
「あれ、始」
 剣崎がその彼に気付く。
「何処へ行くんだ?」
「少し寄りたいところができた。
 相川はそう剣崎に述べてきた。
「別に悪い場所じゃない。いいか」
「いいかってそっちは」
 相川の進む道を見て思い出した。
「あのたこ焼き屋と鯛焼き屋のところじゃないか」
「そういえばそうか」
 橘もそれに気付いて頷く。
「やはりそういうことだったか」
「なあ」
 志村は今の言葉を聞いてかなり不安を覚えてきた。
「橘さんが今の言葉を言うと」
「そうよね」
 三輪がそれに頷く。
「いつも大変なことになるから」
「大丈夫かよ」
 禍木もかなり不安な気持ちになっていた。彼等はヘルメットの中で不安な顔をしていたのである。その不安を消すことはとてもできなかった。
「大丈夫だと思うよ」
「どうしてそう思えるの、睦月君」
 志村は不安なその顔をヘルメットの中に置いて上城に言ってきた。
「またワームがいきなり出て来るとか」
「ネイティブの可能性も」
「この道は大丈夫です」
 しかし彼はそう志村に告げる。
「今の橘さんの言葉は」
「そうかな」
「どうかしら」
「わかったものじゃないな」
 三人は上城のその言葉を聞いても全然信じてはいない。信じられないものが今までの戦いで多くあったからだ。なお三人は剣崎もあまりあてにはしていなかったりする。二人が何かを言って当たっていることがあまりというか殆どなかったからだ。
 しかし相川を先頭にその道へ入って行く。虎太郎と栞もそれについて行く。三人もそれを見て仕方なくついて行くのであった。
 
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