妹さんの友達になって
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第三章
「若しかしたら」
「そうなの」
「どうしても好きな人がいてその人に妹さんがいたら」
その時はというのだ。
「詩音さんと同じ行動を取っていたかも」
「そう思うの」
「今思いました」
「そうなの」
「確かに打算計算で私に近付きました」
このことは事実だとだ、詩音に対して言った。
「ですがそれでもいい人ですから」
「私は?」
「はい、優しくて明るくて面倒見がよくて」
詩音のそうした一面を言うのだった。
「ですから」
「いいの」
「これからもお友達でいて欲しいです」
琴音はにこりと笑って言った。
「宜しくお願いします」
「そう言ったら私だって」
今度は詩音が言ってきた。
「同じよ」
「そうですか」
「打算計算で近付いたけれど」
それでもというのだ。
「琴音ちゃんと一緒にいたら」
「そうしたらですか」
「とてもね」
実にというのだ。
「楽しいから」
「そうですか」
「とても可愛くて優しくて。私末っ子で上にサラリーマンで厳しいお兄ちゃんがいて」
「こんな風にはですか」
「とてもね、いられなかったのよ」
「ご兄妹の中では」
「お友達それも妹みたいな」
そうしたというのだ。
「そんな娘が出来てね」
「嬉しいですか」
「凄くね、だからね」
それでというのだ。
「これからもね」
「一緒にですか」
「いてくれたら」
それならというのだ。
「嬉しいわ」
「そうですか、じゃあお互いに」
「これからもね」
「宜しくお願いしますね」
琴音は詩音ににこりと笑って言葉を返した、そしてだった。
詩音が織田と交際を深めていく中で二人の関係も深まっていった、そこから詩音が織田と結婚するとだった。
二人は姉妹になったがその間柄は誰よりも仲のいいものだった、まるで実の姉妹の様にと言われるまでに仲がよかった。
妹さんの友達になって 完
2023・7・20
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