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仮面ライダーカブト 明日のその先へ

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第十八章

「そして戦う。いいな」
「わかった。だが」
 天道はその神代に対して言うのだった。
「御前は御前自身と戦えるか」
「どういうことだ!?それは」
 この言葉の意味は彼にはわからなかった。見れば加賀美も呆気に取られた顔になっていた。
「俺が俺自身と戦うというのか」
「そうだ。できるか」
 天道はまた神代に問う。
「何があっても」
「やってみせる」
 神代はわからなかったがそれでも毅然として言った。
「例え俺自身が前にいても。俺は戦う」
「そうか、わかった」
 天道はそれを聞いて静かに頷いた。
「では話が早い。中に入れ」
「サルにか」
「加賀美」
 続いて彼は加賀美にも声をかけてきた。
「ゼクトに連絡をしてくれ」
「ゼクトにか」
「そうだ、全ての資格者をサルに呼んでくれ。いいな」
「一体何をするつもりなんだ、天道」
「集まってからわかる」
 そう述べてきた、
「すぐにな」
「わかった、じゃあ」
「ボードには俺が連絡をする」
 天道はボードには自分から連絡すると言った。
「烏丸所長にな」
「そうかって。御前」
 今の天道の言葉でふと気付いた。
「ボードとの関係があったのか」
「大したことじゃない」
 少なくとも彼にとっては大したことではない。
「この戦いに参加しているライダー達全員に話しておきたいことがある。わかったな」
「わかった」
「ではな」
 ここで天道はふと足を前に出してきた。そのまま歩きだす。
「おい、何処に行くんだ?」
 加賀美はその彼に問う。
「矢車さん達なら俺から連絡をつけておくぞ。風間にも」
「違う」
 そうではないと言う。彼の思惑はそこにはないようであった。
「だが。すぐに帰る」
「すぐにか」
「そうだ。大した話じゃない」
 一応はこう言うが加賀美は今一つ懐疑的だった。
「だといいんだがな」
「少なくとも戦うことはない」
「戦い!?」
「そうだ。だから安心しろ」
「わかったが。じゃあ待ってるからな」
 そう言ってサルの中に入ろうとする。そこで神代に声をかけた。
「剣、御前も入るんだろ?」
「いや、少し待ってくれ」
 だが神代は彼の誘いにすぐに動かなかった。
「どうしたんだ?一体」
「爺やを呼びたい」
 彼はそう言ってきた。
「爺やさんをか」
「ああ。久し振りに爺やの料理を食べたくなったのでな。一度皆に爺やの料理を味わってもらいたい」
「それはいいことだ」
 天道は彼の言葉に微笑んで頷いた。
「あの人の料理は人類の財産だ。それを知ること自体が幸せだ」
「そういうことだ。では天道」
 神代はあらためて天道に声をかける。
「待っているからな」
「わかった。おそらく風間も遅れて来る」
「あいつもか」
「人にはそれぞれ事情がある」
 天道は静かにそう述べた。
「そういうことだ。わかったな」
「何かよくわからないがわかった」
 神代はそれに応えて言う。
「では待たせてもらう。それでいいな」
「ああ」
 天道はサルの前を去った。そのまま何処かへと向かう。その頃風間は劇場にいた。誰もいない赤い劇場で一人立っていた。
 観客席のところから舞台を眺めている。するとそこに一人の女性が姿を現わしてきた。
 
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