ハッピークローバー
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第八十六話 海遊館に二人でその九
「そうした人になったみたいね」
「何かその人が長男で」
「長男教らしくてね」
「その人だけ甘やかして」
そしてというのだ。
「下のお子さん達はほったらかしで」
「そうした人になったみたいだね」
「何か酷い人はね」
「まともに子育ても出来ないってことだね」
「結局あれでしょ」
考える顔でだ、留奈は言った。
「自分以上のお子さんは育てられない」
「トンビが鷹を生むじゃなくて」
「それはその親御さんをお子さんが反面教師にして、でしょ」
「自分が頑張ってなるものだね」
「碌でもない親御さんだったら」
「碌でもないお子さんしか育てられない」
「そうでしょ、まあそんな自分しかない人は」
今話している人物の様なというのだ。
「自然と周りから嫌われるわね」
「何かその人親戚の集まりに出ても無視されてたらしいね」
「ああ、そうなの」
「兎に角性格が悪いって評判で」
その為にというのだ。
「それでね」
「身内からも嫌われていたのね」
「そうみたいだよ」
「そうなるわね」
言われてみればとだ、留奈も頷いた。
「確かに」
「そうだね、そんな人になるよりも」
「自分以外の生きものを好きな方がいいね」
「そうよね、じゃあもっとね」
「色々な生きもの観ようか」
「ここにいるね」
海遊館にというのだ。
「そうしよう」
「それじゃあね」
「それでそれが終わったら」
海遊館の生きもの達を一通り観たらというのだ。
「後はね」
「ええ、次はね」
「あそこ行こう」
「重亭ね」
「それでオムライス食べようね」
「約束通りね」
笑顔で話してだった。
二人で海遊館をさらに巡ってだった。
それが終わってからそこから難波に向かった、地下鉄の難波駅から二人で歩いてその店に行ったが。
店の前に来てだ、留奈は店の入り口を見て伊東に言った。
「このお店の前何度もね」
「通ったんだ」
「今思い出したわ」
「ここよく人通りしね」
「横道みたいでね」
「そうだよね」
「それですぐそこにね」
「自由軒があってね」
「蓬莱もあるのよね」
こうしたこの辺りで知られる店達がというのだ。
「他にも北極のもね」
「アイスキャンデーのね」
「それに金龍ラーメンあって」
難波や道頓堀に何店舗かあるその店のうちの一店がだ。
「他にもね」
「お店あるんだよね」
「そうよね」
「ここはいいよね」
「食べることについては」
「道頓堀なんか行ったら」
あまりにも有名なこの場所にというのだ。
「それこそね」
「美味しいお店がね」
「右にも左にもだよ」
この場所のというのだ。
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