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星河の覇皇

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第八十四部第三章 円明園の会議その二十六

「協調した方がいいです」
「大抵の場合そうです」
「日本についていくなり賛成するなりしてです」
「そのままいった方がいい場合が多いです」
「そうだ、我が国は実は日本と対するよりもだ」
 それよりもとだ、朴も自分の意見を述べた。
「和をしてだ」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「協調路線を歩むべきですね」
「その方が遥かに国益に沿っていますね」
「我等にとっては」
「実を言えばそうだ、だが市民感情は違う」
 有権者である彼等はというのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「市民は違いますね」
「感情として日本と対さずにいられない」
「そうなっていますね」
「千年、いや正確に言えば千二百年か」 
 それだけの歳月があるとだ、朴は苦い顔で述べた。そして外交官達に対してその顔でさらに言うのだった。
「その間我が国は技術も産業も変わった」
「宇宙にも出ました」
「全く変わったと言っていいです」
「その間様々なことがあり」
「我が国は変わりました」
「二十世紀後半の韓国とは全く違います」
「そうなったが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「日本に対する感情は違いますね」
「それはですね」
「それだけは」
「全く変わっていませんね」
「そうだ、何も変わらずだ」
 それでというのだ。
「日本に対している」
「左様ですね」
「日本を一方的に敵視して」
「そしてですね」
「あらゆる分野で対抗しようとしてです」
「実際に対抗していますね」
「それは無駄でしかない」
 朴は一言で言い捨てた、韓国人のその感情を。
「その発端は日本に併合されたことだ」
「強占領期ですね」
「あの頃からです」
「言うまでもなく全てはそこからはじまっています」
「日本に併合されたその時から」
「全てはじまっています」
「そうだ、しかしな」 
 それはとだ、朴は言うのだった。
「それはもう千二百年も前でだ」
「遥かな昔であり」
「それで、ですね」
「今更どうこう言ってもです」
「遥かな昔のことでしかないです」
「歴史のことであり」
「もう今の我々に関係があるのか」
 今の韓国人そして韓国にというのだ。
「一体」
「千二百年前とは違いますね」
「もう遥か昔のことで」
「それを言ってもです」
「全く以て仕方がないですね」
「そうしたことですね」
「そうだが」
 朴はさらに言った。
「まことにだ」
「韓国はそこが違いますね」
「千二百年前のことでも言います」
「相手が日本ならば」
「もう意固地になって」
「そうだな、日本だ」
 この国自体にそうなっている根拠があるともだ、朴は語った。 
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