イベリス
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第百七話 秋がはじまりその八
「低いわよ」
「蛙は馬鹿に出来ないですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「蛙が大海を知らないのはね」
「その時だけですね」
「実は蛙は活動的だから」
「しょっちゅう跳んだりしていますしね」
「泳いだりね」
「そうした生きものだからですね」
それだけにというのだ。
「それは一瞬で」
「すぐに外の世界を知って」
「そこで生きるんですね」
「また戻るかも知れないけれど」
その井戸の中にというのだ。
「それはお家みたいなもので」
「また外に出ますね」
「外は確かに危ないでしょうね」
蛙にとってだ。
「鳥も蛇もいてね」
「蛙の天敵が」
「それで車だって行き来してるし」
「危険が一杯ですね」
「けれど蛙はね」
この生きものはというのだ。
「そうしたものが一杯ある世界によ」
「自ら出て行くんですね」
「ええ、その蛙みたいによ」
「色々なことを知ることですね」
「そうするといいのよ」
「そういうことですね」
「だから咲っちも」
咲の目を見て言った。
「いいわね」
「その人にお会いしに行くことですね」
「レベルの高い人にもね」
「どんどんお会いすることですね」
「これは奇麗なだけじゃなくて」
外見がだ。
「色々なことでね」
「レベルの高い人を知ることですね」
「大谷翔平さん知ったらね」
今度はこの驚異的なプロ野球選手の名前が出て話された。
「人間ここまで凄いかって思わざるを得ないでしょ」
「野球選手の人達なんか特にですよね」
「あんな桁外れの能力の人見たら」
それこそというのだ。
「文字通りね」
「上には上がいるですね」
「ピッチャーバッター両方で桁外れだから」
そうした選手だからだというのだ。
「もうね」
「野球選手が見たら」
「天狗にならないでね」
「目指す様にもなりますね」
「実際変わったでしょ」
大谷翔平が出て来てからというのだ。
「野球って」
「どのチームの人達も」
「人間凄い人を知ればね」
そうなればというのだ。
「それでね」
「その人を目指せばですよね」
「凄くいいのよ」
「そこでひがまないことですね」
咲は言った。
「そうですね」
「そう、妬んだりね」
「それより自分を磨く」
「大谷翔平さんが妬むか」
「それでひがむか」
「そんな筈ないでしょ」
「絶対にないですね」
咲が見てもだった。
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