X ーthe another storyー
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第二十六話 決断その十
「今助ける」
「神威ちゃん?」
「そうだ、俺だ」
まさにというのだった。
「皆がいる、そして俺もいる」
「だからなの」
「封真を止める、絶対にな」
「けれどこれは運命なの」
目を開いた小鳥は封真に悲しいが達観した顔で話した。
「私がここで殺されることは」
「封真にか」
「若し神威ちゃんが地の龍になっていたら」
その演出をした時はというのだ。
「神威ちゃんにね」
「そうか、しかしな」
「それでもなの」
「こんな鎖が何だ」
自分を縛っているそれも見て言った。
「一体」
「その鎖は」
「外せないか」
「運命の鎖よ、だからね」
その為にもというのだ。
「絶対によ」
「そう言うか、運命が何だ」
神威は強い顔と声で言った。
「こんなもの」
「運命は変えられない」
昴流は顔を左下に背けて言った。
「絶対に」
「いや、変えられる」
神威は昴流にも言った。
「絶対に」
「絶対なのは運命だよ」
「違う、運命が変えられる」
またこう言うのだった。
「絶対なのはそのことだ」
「そうだっていうの」
「こうしてだ」
こう言ってだった。
神威は自分にある全ての力で前に出た、すると。
鎖が千切られた、昴流はそれを見て驚きの声をあげた。
「まさか・・・・・・」
「鎖があるのはわかっていた」
神威はまた言った。
「そして千切れることもだ」
「わかっていたんだ」
「あるとわかっていたならな」
それならというのだ。
「絶対にだ」
「出来ると思っていたんだ」
「そのつもりだった、小鳥を護ると決めた」
それでというのだ。
「こんな鎖何かとだ」
「思っていたんだ」
「そしてこうした」
引き千切ったというのだ。
「これで小鳥を助けられる、今行くぞ」
「神威、わい等も行くで」
空汰も言ってきた。
「よおやった、今わい等も行くつもりやったが」
「それでもか」
「ああ、自分もおるとな」
それならというのだ。
「大丈夫や」
「そう言ってくれるか」
「ああ、やるで」
「本来ならお助けしたいところですが」
遊人も言って来た。
「今回は事情がありまして」
「封真さん、止めてもらいます」
哪吒も続いた。
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