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八条学園騒動記

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第七百七話 体育館その八

「まさにです」
「異次元にいる様だな」
「そうですね」
「そうだ、異次元とだ」
「思うことですね」
「この国はな、そう思いだ」
 そうしてというのだ。
「見ていくことだ」
「それが大事ですね」
「異世界でもいい」
 異次元ではなくというのだ。
「そう思って見ていってもだ」
「いいですね」
「兎角な、この国はな」
 連合はというのだ。
「全く違う世界だ」
「左様ですね」
「何もかもがな」
「まさに異次元、異世界で」
「そう思い完全な客観性を保ち」
 そうしてというのだ。
「見ていくことだ」
「それが大事ですね」
「そうすればな」
「よく見られますね」
「間違っても主観に基づいて見ないことだ」
 大尉は上等兵に言った、ただ言ったのは決して彼に対してだけではない。自分自身にも言い聞かせて言っていた。
「それをするとな」
「見誤りますね」
「そうだ、客観的にな」
「冷静に見ることですね」
「偏見なくな」
「それではです」
 上等兵は目の前で汗を流す体操服姿の女子高生達を見つつ話した。
「学者の様ですね」
「それでいい」
 これが大尉の返事だった。
「まさにな」
「学者の様に見て」
「文献なり史跡なりな」
「そうしたものを見る」
「実験の状況でもいい」
 文系だけでなく理系の話もした。
「兎角だ」
「冷静にそしてですね」
「客観的にだ」
 その様にというのだ。
「見ていくことだ」
「この国を」
「それが我々の仕事だ」
「そういうことですね」
「あとだ」 
 大尉は上等兵を見て冷静に述べた。
「君も人間だ、食べることも飲むことも寝ることもだ」
「します」
「生きているならな、ならだ」
 ここでだ、大尉は。
 上等兵に体育館を後にしようと言った、それで二人でまた学園内を歩きはじめた。そのうえで今度は小声で話した。
「性欲もある」
「そのことですか」
「私も同じだ、それでだ」
「そうした場所にですね」
「行くな」
「風俗店ですね」
「この国はそちらも充実している」 
 風俗産業もというのだ。 
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