イベリス
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第百七話 秋がはじまりその三
「どの人も」
「先輩も同級生もかしら」
「そうなんです」
「それいいことよ、部活もいい人が多かったらね」
「それに越したことはないですね」
「そうよ、たまに人間の屑としか言い様のない奴ばかり集まった」
「そんな部活もありますよね」
「顧問が悪いと」
即ち部の責任者がというのだ。
「自然とね」
「碌でもない生徒が集まります?」
「そうなるわよ」
「悪い先生のところには悪い生徒が集まるんですね」
「お花には蝶が寄るで」
それでというのだ。
「汚物には蠅がたかるからね」
「悪い先生が顧問の部活にはですね」
「悪い生徒がね」
「集まるんですね」
「そうなるのよ」
「そうですか」
「だから悪い先生の部活にはよ」
そうしたところにはというのだ。
「絶対にね」
「入らないことですね」
「生徒も酷いの集まるからよ」
「その先生を嫌いな生徒でもですか」
「ええ、不思議なもので同じ様なレベルでね」
それでというのだ。
「人は集まるのよ」
「類は友を呼ぶですね」
「それは法則で」
世の中のというのだ。
「それでよ」
「そうなるんですね」
「ええ、悪い奴の周りもでしょ」
「部活でなくても」
「悪い奴が集まるでしょ」
「ですね」
言われてみればとだ、咲も頷いた。
「ヤクザ屋さんもチンピラも」
「半グレとかドキュンとかね」
「そう呼ばれる人達も」
「集まるのよ」
「類は友を呼ぶですね」
「そうよ、そしていい人もね」
「集まるんですね」
こう先輩に言った。
「同じ様なレベルの人達で」
「それぞれね」
「世の中ってそうなんですね」
「努力している人達はね」
「集まって」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「仲良くね」
「やっていくんですね」
「ただレベルの低い人達は」
彼等はというと。
「馴れ合いばかりよ」
「友達じゃなくて」
「ただ群れたりね」
「馴れ合っていたり」
「それでね」
そうした状況でというのだ。
「友達同士と言っても」
「いざとなれば見捨てる」
「裏切るのよ」
「そんなものですか」
「いい人達は本当の意味でね」
それでというのだ。
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