X ーthe another storyー
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第二十五話 選択その十二
「運命は迫ってきます」
「そうしたものだな」
「ですから逃げることはです」
「意味がないな」
「はい、それは」
「わかっている」
このことはというのだ。
「既にな」
「そうですか」
「だからな」
それ故にというのだ。
「選択はする」
「そしてですか」
「小鳥も封真もな」
二人共というのだ。
「そうするだけだ」
「ではその選択をです」
「待っていてくれるな」
「そうさせて頂きます」
神威に畏まった態度で応えた。
「わらわは」
「それじゃあな、またな」
「夢の中でお話しましょう」
「そしてな」
「はい、起きた世界でも」
「会って話そう」
「それでは」
こうした話もした、そしてだった。
神威は深い眠りに入った、起きるとまた日常に入った。食事を摂り学校に行った。そして洋館に帰ると。
護刃にだ、彼は言われた。
「あの、小鳥さんが」
「目を覚ましたか」
「はい」
神威に笑顔で答えた、両手を拳にして身体の前で縦に振りつつ話した。
「今さっき」
「そうか、ならな」
「これからですね」
「小鳥のところに行く」
自然と笑顔になってだ、神威は応えた。
「そうさせてもらう」
「それでは」
「それで無事なんだな、小鳥は」
「はい、暫く寝ておられたのでまだ本調子ではないですが」
それでもとだ、護刃は答えた。
「お元気です」
「それならいい、ではすぐに行って来る」
「小鳥さんのところにですね」
「行って来る」
「それじゃあ」
こうした話をしてだった。
神威は小鳥の部屋に駆けて行った、そしてベッドから起き上がっている彼女を見て笑顔で声をかけた。
「目を覚ましてよかった」
「うん、迷惑かけたわね」
小鳥は神威に顔を向けて申し訳なさそうに応えた。
「今まで」
「何でもない、それよりもな」
「私が起きてなの」
「本当によかった、何も問題ないな」
「うん、ずっと気を失っていてね」
小鳥も神威に応えて話した。
「ベッドの中にいたから」
「まだ本調子じゃないな」
「ずっと動かしてなかったから」
身体をというのだ。
「それでね」
「それはゆっくりとな」
「リハビリみたいにして」
「戻していったらいい」
「身体のことは」
「そうしたらいい、何はともあれだ」
神威は純粋な笑顔で述べた。
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