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ハッピークローバー

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第八十五話 兄に言われてその八

「何処がドキュンよ」
「そうだな」
「ドキュンってね」
「もうこれ以上はない位に馬鹿だな」
「本当の意味でね」
「そうした奴が多いな」
「普通に柄が悪くてもね」
 それでもというのだ。
「中身が真面目なら」
「いいな」
「生き方がね」
「けれど本物はな」
 そうしたドキュンはというのだ。
「もうな」
「全然違ってて」
「行いもな」
「もう屑って言っていいわね」
「平気で悪いことしてな」
 兄もこう言った。
「犯罪だってな」
「やったりするわね」
「それで捕まっても反省しない」
「そうした真性の屑よね」
「屑って言っても色々だけれどな」
 その種類はだ。
「けれどその一例としてな」
「ドキュンっているわね」
「それで俺もお前もな」
「ドキュンじゃないわね」
「だからな」
 それでというのだ。
「そんなこともしないな」
「考えてやるわね」
「それでいいんだ」
「そうしたことしなかったら」
「ああ、そりゃ興味があることはな」
「したりするわね」
「けれどリスクに気を付けていたらな」
 妊娠や性病のことをというのだ。
「いいんだよ、性病だってそんな連中が持ってるんだ」
「感染していって」
「こうした病気は感染していってな」
「広まるから」
「ドキュン同士でな」
「そうしたことしていって」
「仲間内で持ってるもんだ」
 妹にこのことも話した。
「それで大変なことになるのは誰か」
「自分達よね」
「あんなのなったらな」
 性病にというのだ。
「洒落になってないぞ」
「エイズとか梅毒死ぬしね」
 特に梅毒では歴史上多くの人物が命を落としている、しかもその死に方が実に惨たらしいことでも有名だ。
「そうなりたくなかったら」
「ちゃんと勉強してな」
「ならない様にすることね」
「俺が言うのはそれだけだ」
「すること自体はいいのね」
「何度も言うがな、宜しくやれよ」
「宜しくって」
 兄のその言葉に突っ込みを入れた。
「ちょっとね」
「言い方か」
「それがね」
 どうにもと言うのだった。
「気になるけれど」
「けれどな」
「けれど?」
「そう言うしかないだろ」
 こう言うのだった。
「もうね」
「そうかしら」
「俺はどう思う、しかしな」
「しかし?」
「備えは忘れるなよ」
 このことはあくまで言う雅之だった。 
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