X ーthe another storyー
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第二十五話 選択その一
第二十五話 選択
庚は夢の中で牙暁から話を聞いていた、その話はというと。
「そう、彼女に会ったのね」
「うん、今言った通りにね」
「自分の運命を受け入れているのね」
「驚いたのは一瞬でね」
「そうなのね、可哀想だけれど」
庚は眉を少し顰めさせて述べた。
「あの娘はね」
「そうなるしかないね」
「もう一人の姉さんはね」
彼女のことも言うのだった。
「どうしてもね」
「防げないから」
「確かに私も貴方も結界を張っているわ」
「全力で」
「けれどね」
それでもというのだ。
「姉さんはあまりにもね」
「力が強くて」
「それでね」
その為にというのだ。
「私達ではね」
「防げないね」
「あれだけの結界を張っても」
それでもというのだ。
「もう一人の姉さんの力には」
「敵わないよ」
「とてもね」
それこそというのだ。
「無理よ」
「残念なことに」
「人間を滅ぼしても」
それが地の龍のすべきことだがというのだ。
「けれどね」
「地球を救うことか」
「そもそも地球は救うまでに弱いか」
「僕達人間が」
「所詮表面にしかいない私達が」
「地球は奥深い星だよ」
牙暁も言った。
「僕達がいる場所なんて」
「本当に表面だけよ」
「卵だと殻の」
「そんな私達がどれだけいて何をしても」
「地球は死なないね」
「悲鳴を挙げていても」
人減の行いで傷付いてだ。
「それでもね」
「多少のことでしかなくて」
「それでよ」
そうしたものに過ぎないでというのだ。
「地球は残るわ」
「そうだね」
「私の真の目的は」
「そうした地球や人間をどうするかでなくて」
「あくまでよ」
それこそというのだ。
「姉さんをよ」
「救いたい」
「それに尽きるわ」
まさにといううのだ。
「もう一人の姉さんをどうにかして」
「そうだね」
「もう一人の姉さんは何もかもを破壊し滅亡させるつもりよ」
「人間も何もかもを」
「ええ、地球は滅ぼせなくても」
それでもというのだ。
「地球上にある全てをね」
「根絶やしにするつもりだね」
「姉さんは人間も地球もそのままであって」
維持されてというのだ。
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