ハッピークローバー
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第八十五話 兄に言われてその四
「それこそ」
「あそこはな」
「そうよね」
「そして趣味も娯楽だけれどな」
これになるというのだ。
「娯楽は生活に余裕がないとな」
「出来ないものっていうわね」
「だから戦争になるとな」
そして余裕がなくなると、というのだ。戦争は国家の総力を挙げて行うものでありかつ命も危険もある。
「もうな」
「娯楽からなくなるっていうわね」
「そうなるからな」
「あの国で趣味を満喫するとか」
「出来る筈がないな」
「考えてみればそうね」
「おまけにいつも臨戦態勢だ」
北朝鮮はというのだ。
「そう言ってるからな」
「何かとね」
「先軍政治でな」
これも北朝鮮の特徴なのだ。
「だからな」
「つくつぐ生まれたくない国ね」
「皆そう言うな」
「いや、アフリカの方もね」
こちらの地域でもというのだ。
「酷い独裁者いて」
「圧政敷いて自分だけ私腹を肥やしてな」
「内戦とかの原因になって」
「国をボロボロにしてるな」
「そんなお話多いけれどね」
八条学園にはアフリカ諸国から来ている生徒に教師それに職員達も多い、中にはその独裁や弾圧、内戦の当事国から来ている人達もいる。
「あちらには」
「そうだな」
「とんでもないお話も多いけれど」
「スーダンとかジンバブエとかな」
「ルワンダだってね」
「そうだが」
それでもとだ、雅之も言った。
「そうした国にもひけを取らない位な」
「北朝鮮は酷いわね」
「国民の四割位が飢餓状態らしいな」
二千三百万のうちの九百万程がというのだ。
「そんな国だからな」
「趣味なんてね」
「出来るか、俺も筋肉をな」
「持てないわね」
「それこそガリガリになってな」
そうしてというのだ。
「死ぬかもな」
「餓死も有り得るわね」
「百万位な」
そこまでというのだ。
「餓死した人出たらしいな」
「百万ね」
「二千三百万のうちでな」
「滅茶苦茶ね」
「つくづく生まれなくてよかった」
妹に心から言った。
「そのことに感謝しながらな」
「お兄ちゃんは確かなもの食べてるのね」
「そして飲んでいるんだ」
「夏でも」
「だからお前もそうした方がいい」
留奈にしてもというのだ。
「出来る限りな」
「お素麺だけっていうのはよくないのね」
「あとアイスクリームばかりとかな」
「西瓜ばかりも」
「それにお水ばかり飲んでもな」
全て涼を考慮してのことである。
「駄目だ」
「しっかりとしたものを食べることね」
「そして飲むんだ、牛乳もいいし冷たいなら」
そうしたものを口にしたいならというのだ。
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