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イベリス

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第百六話 夏休みが終わってその六

「例えば私が急に金髪にしてお肌焼いて」
「所謂黒ギャルね」
「咲っちがそうなるとか」
「そんな激変はっていうのね」
「そうはないわよ、あとタトゥーもね」
 これもというのだ。
「私入れないしね」
「あれ入れたらやばいわよね」
「相当なことしないと消えないからね」
「軽い気持ちで入れても」
「後が大変よね」
「だからね」
 それでというのだ。
「私タトゥーは絶対に入れないわ」
「外国じゃ最近入れる人多いみたいね」
「アスリートの人でもね」
「ソフトバンクにいたサファテさんも入れてたしね」
「物凄いのね」
「けれど痛いそうだし」
 咲は入れる際のこのことも話した。
「汗腺とか壊すから身体にも悪いみたいだし」
「人にも見せられないしね」
「真っ当な人達には」
「若し誇らしげに見せたらね」
「相当やばい人だし」
「スーパー銭湯にも入られないのよ」 
 咲はこのことも話した。
「だったらね」
「入れない方がいいわね」
「それならペーパーの方がいいわよね」
「ペーパータトゥーね」
「その歩言うがいいわよね」
「そうよね、私そっちも興味ないけれど」
 ペーパータトゥーもというのだ。
「例えばリベジャーズみたいな」
「ああ、東京ね」
「卍の」
「あの漫画ね」
「あの漫画だとね」
 それこそというのだ。
「皆入れてるけれどね」
「普通にね」
「中学生でもね」
「そうしてるけれど」
「あれはないわよね」
「どんな世界よ」
「私達東京にいるけれど」
 その作品の舞台のとだ、咲は言った。
「けれどね」
「あんな人達いないわよね」
「頭の横に刺青入れるとかね」
「今頃特攻服皆で着て」
「中学生が平気でバイク公道で乗り回してて」
「駅で大々的に喧嘩して」
「殺し合いまでしてね」
 それでというのだ。
「警察も何もしないとか」
「どんな無法地帯よ」
「核戦争起こって世紀末救世主いる世界じゃないわよ」
「あれ滅茶苦茶よ」
「幾ら何でもね」
「私もそう思うわ、握手して昔に戻れるよりも」
 咲は遥かにと言った。
「そうした世界が有り得ないわよね」
「全く以てね」
「無茶苦茶な世界よね」
「どんな無法地帯よ」
「あんな東京ないわよね」
「少なくとも私達の世界にはね」
「面白い作品だけれどね」
 それでもというのだ、作品としては面白いというのだ。
「刺青普通とかね」
「不良でもそれないでしょ」
「あれもお金かかるのよね」
「それもかなり高いのよね」
「専門的な技術だしね」
「高いお金払って一生残る様なものを入れるって」
 首を傾げさせてだ、咲は思ったことを言った。 
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