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イベリス

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第百六話 夏休みが終わってその三

「それも手遅れの」
「親が行けって言って」
「言うけれどそんな暴力振るう先生逃げるわよ」
「生徒が怪我したら」
「何だかんだ言ってね」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「そうするわよね」
「暴力振るうだけ振るって」
「生徒を傷付けて」
「それで責任はね」
 一切というのだ。
「逃げてね」
「取らないわよね」
「暴力振るわれ損でそれがトラウマになって」
「部活に入ること自体しなくなったら」
「本末転倒でしょ」 
 それこそというのだ。
「そうなったら」
「そうよね」
「それでそんな部活に無理に行けって言う親もね」
「責任取らないわよね」
「殴られたお前が悪いとかね」
 その様にというのだ。
「子供にね」
「言うのね」
「そうしたことをね」
「それでお母さんはなのね」
「そんな親にもなりたくないから」
 そう思うからだというのだ。
「絶対にね」
「言わないのね」
「ええ、いいと思う部活にね」
 そこにというのだ。
「行きなさい、先生が生徒にやたら暴力振るう部活は」
「行かないことね」
「自分が振るわれなくてもね」
「入ったら駄目ね」
「賢い人は先生が訳もなく暴力を振るう部活にはよ」
「入らないのね」
「入ってもすぐに辞めるわ」
 そうするというのだ。
「何時自分がそうされるかわからないから」
「だからなのね」
「そうよ、ましてそんな先生がまともな指導をするか」 
 暴力を訳もなく振るう様な教師がというのだ。
「やっぱりね」
「答えが出ているわね」
「そうでしょ」
「ええ」
 咲はそれはと答えた。
「そうよね」
「殴って蹴ってね」
「感情のままに」
「機嫌がいいと何もしなくても」
 暴力を振るわずともというのだ。
「機嫌が悪いとね」
「同じことしても暴力振るうなら」
「もうまともな指導なんてね」
「出来る筈がないわね」
「だから賢い人はね」
「そうした部活には入らなくて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「入ってもね」
「すぐに辞めるのね」
「難を逃れてね」
「そうするのね」
「だから咲もよ」
「そうした部活に入ったことなくてよかったわ」
 心から言った。
「本当にね」
「それでこれからもね」
「入らないことね」
「部活でなくても仕事先でもよ」
「そうした会社かどうか」
「見極めてね」
「最初にね、そうするわ」
 やはり心から言った、そしてだった。 
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