X ーthe another storyー
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第二十四話 未来その十四
「嬉しいよ」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
北斗はにこりと笑って応えた。
「じゃあ戦いが終わるまでね」
「一緒にいよう」
「そうしようね」
「ただ。僕はこの世界が終わったらどうなるのかな」
ふとだ、牙暁は思った。
「果たして」
「それもわからないでしょ」
「全くね」
「運命ならわかるんじゃない?」
「それは」
言われてはっとしてだ、牙暁はその感情を顔にも出した。
「言われてみれば」
「牙暁君が夢見ならね」
「見えてだね」
「わかる筈でしょ」
「見ようと思ったこともないし」
「見えないでしょ」
「多分ね」
「だったらね」
それならというのだ。
「私は言った通りにね」
「運命はまだ決まっていない」
「何もね。ひょっとしたら牙暁君起きられる様になるかもね」
「まさか。この僕が」
「まだ何も決まってないし」
またこう言う北斗だった、そしてさらに言うのだった。
「絶対のこともね」
「ないのね」
「そうだよ」
こう言うのだった。
「だからね」
「それでなんだ」
「そうなるかもね」
「起きた世界になんだ」
「行きたいよね」
「夢の世界から見られても」
それでもとだ、牙暁は答えた。
「それと行くは別だからね」
「そうよね、若し行ける様になったら」
「その時は」
「楽しんでね、色々ある世界でもね」
起きた世界、そこはというのだ。
「全体としていい世界って言えるから」
「だからだね」
「起きられたらね」
「その世界を楽しめばいいね」
「そうよ、それで私が行っても」
それでというのだ。
「起きられる様になったら」
「僕は孤独じゃなくなる」
「そうなるからね」
さからだというのだ。
「起きられる様になったら安心してね」
「それではね」
「それとね」
「それと?」
「野球を観るのもね」
「いいんだ」
「知ってる?昴流ちゃんって阪神が好きで」
彼の好きなチームの話もした。
「私も同じ阪神なのよ」
「うん、夢で知ってるよ」
「星ちゃんはヤクルトなのよ」
「天の龍は皆阪神だね」
「神威君もだよね」
「小鳥さんもね、ただ僕はヤクルトで」
このチームのファンでというのだ。
「地の龍の人達それにね」
「封真君もだよね」
「地の龍だけれど燕が好きなんだよね」
「面白いわよね」
「そうだね。ただ思えば」
ここで牙暁はこう言った。
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