星河の覇皇
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第八十四部第二章 交渉の用意その四十三
「もうな」
「それではここから離れず」
「休む、ではな」
「今夜さらに重要な報告があれば」
「伝えてくれ」
「わかりました」
官僚も彼のその言葉に応えた。
「では」
「そこは頼む」
「危機があればですか」
「それに迅速してこそだ」
「政治家ですね」
「そして国家元首だ」
それになるというのだ。
「だからだ」
「この度もですね」
「私は今夜はここにいる」
「それでは」
「戦争も脅威だが」
「災害もですね」
「同じだ」
こちらもというのだ。
「まことにな」
「だからですか」
「ことにあたる、私のやるべきことをな」
「常にですね」
「していく、ではな」
「はい、それではまた何かあれば」
「伝えてくれ」
自分に言うべきことはとだ、ギルフォードは言った。
「災害の規模にもよるが」
「今回の規模になりますと」
「大事だからな」
それ故にというのだ。
「私も対応する」
「領主の方にお任せ出来ることはお任せして」
「各国の政府にもな、だが」
「中央政府のやるべきことについては」
「全てやる」
こう言い切った。
「その様にする」
「それこそがですね」
「国家元首である総統のすべきことだ、エウロパは中央集権国家だ」
このことについても話すのだった。
「即ち中央政府の権限が強く」
「その中でもですね」
「国家元首である総統の権限が強い」
その権限の強さは連合から独裁者と言われるまでだ、ただしこの批判は多分に言い過ぎなところがある。
「だからだ」
「その権限を活かしますね」
「是非な」
こう官僚に答えた。
「そうしていく」
「左様ですね」
「そうだ、ではな」
「はい、また報告があれば」
「届けてくれ、今から夕食を食べ」
そしてというのだ。
「それからな」
「さらにですね」
「休む」
総統の執務室でというのだ。
「だから遠慮なく言いに来てくれ」
「それでは」
官僚は一礼してからその場を後にした、そして実際にギルフォードはこの日執務室で休んだ。そのうえで次の日も職務を果たした。
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